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19話 上を向いて歩けなくても良いのです。

涙がこぼれないように、上を向いて歩く。
素晴らしいです。
自分を鼓舞する力がある人ってうらやましい。
辛いことがあっても自分で解決できる人です。
でも、精神的ではなく、体力が奪われてしまっている時の病人は、上を向いてあるけません。
抗がん剤の治療中、一番辛い時期は、上を向いて歩くどころか、立ち上がることすらできず、ひたすら横になっていました。
お手洗いに行くときも、蛇のようにはいつくばって少しずつ進むこともありました。
しかし、この体勢は、術後の体には激痛。
傷口が開いてしまうのでは?と思うことも。
吐き気も止まらず、
少し歩くだけでも足に血豆が出来てしまうこともありました。
家族に心配をかけるだけで、何も役にたてない日々が続きました。
そんな時は、無理をして上を向かなくて良いのです。
うつむいていようと、
はいつくばっていようと、
生きようと思う気持ちがあれば良いのです。
痛くて、辛くて、いっそのこと抗がん剤を止めたいと思うこともありました。
しかし、その時、ぐっとこらえましょう。
そして、治療が出来るだけでも良かったと思って、
今、自分が出来ることだけで満足しましょう。
自ら息をしたという当たり前のことでも、
頑張ったねと自身を褒めてあげましょう。
今の私は、一日でも長く息子のために生きることが目標。
無理をせず、
時には弱みをみせて、
生きていきます。


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