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間取り相談だけで事業は成り立つのか。 Vol.3 -料金設定どうした?-

ついに、、間取り相談を始めようと決めてから初めてのお客様が。

初めての依頼は無料相談からのリピーターさん。
とにかく嬉しかったのを覚えている。
有料でもまた書いて欲しいと依頼を下さったのだ。

自分の価値が少し見出せた時だった。

その方は、無料相談の時とは違う条件で、要望が変わったのでまた書いて欲しいと。
家づくりという特殊な買い物なので、基本的にはリピーターさんはいない。
家をすぐに何件も買う方なんてそうそういないですからね。

そして単純に「仕事がきて嬉しい」という一見当たり前のことが今まで会社員時代には無かった感情なので、それも新鮮だった。

会社員時代は設計職だったので、営業活動もしたことない。
契約して嬉しいという感情は少なかった。
当時は何もしなくても仕事があったので、
本当に全然違う世界に来たのだなという感覚。

お客様から問い合わせのメールが来るたびに喜んでいた。
お客様も喜んでいた。
間取りだけを相談できるところも無いし、むやみに友人にも相談できない、一人でかかえこんでいる人は多かったのだ。
まだ間取りも何も書いてない状況で、問い合わせの返信メールをしただけでも喜んでくれる人がいた。
こんな少しの小さな行動で人を喜ばせることができる仕事、
「なんて最高の仕事なんだ」と。
間取りを提案した後もめちゃくちゃ感謝されるし、喜んでもらえる。
お互い最高だなと。

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当時は1件3万円で間取りを書いていた。

コストはやりながらもずっと考えていた。
世の中に相場が無いし、経験値、デザイン力、センスなどの目に見えにくい価値もつけなければならない。
かかる経費はほぼ人件費なのだ。

お客様とのやりとり、資料の読み込み、実際に考える時間、仕上げにかかる時間、提案後の修正、、、これまで測ったことの無い価値。

料金という目に見える形で自分の価値を表現するのはとても難しかった。
(今もずっと考えている。難しい。)

ただ、一つ思っていたのは間取りデザインの価値を下げないこと。
世の中では住宅メーカーや工務店さんなど、
間取りはほぼ無料で書いてもらえる。
それはもちろん営業方法の一つだから良い。
そのあと自社で家を建ててもらえれば利益が出るのだから。
でもその時にそんなことはお客さんは考えないのだ。
安ければ安いほど良い。当たり前のことである。
その上で質が良ければ契約してもらえるのだから、提案者側は無料でも頑張れるのである。

私は間取り一本で事業を行なっている。
それを格安にしたら続けていけない。
実際は無料の会社でも、人件費は確実にかかっているし、回り回って経費に含まれているのだから、その会社で家を購入する方にはデザイン料も含まれているのだ。

設計事務所もそうですよね。
基本的にはデザイン料でお金をいただいてる。
なかなか一般の方が設計事務所に依頼しにくいのはそこですよね。
「デザイン」というものにお金を払う、
という感覚が無い人がまだまだ多い。

私の間取り相談だけでは微々たるものだけど、少しずつデザインにも価値を見出してもらいたい。

コストに関しては前職の方や設計事務所の方にもお伝えしてみて反応を見たこともある。
(正確にはみんな価格が気になるので、「で、料金はいくらでやってるの?」ってよく聞かれた。)

分かりやすく言うと、前職(ハウスメーカー)の方は、
「そんなにお金取れるの」
「そんなにお金もらって間取り依頼もらえたらめっちゃいいじゃん」
みたいな感想が多かった。

(いやいや、皆さんもっともらってますよ〜。家で無償で間取り書く人は別として。それは論外ね。)

設計事務所の方は「え、安っ」「それで間取り書くの!?」と言う感じでした。
(え、もっともらえるの!?)

それぞれの反応は面白かった。
それぞれ料金や価値に対しての考え方が全然違う。

もちろん前職の人でも「もっともらっていいんじゃない」、
と言っていただける方もいた。

前回記事で書いた「無料相談」をしたときにアンケートもお願いしていたのだが、有料にするとしたら価格はどれくらいが良いですか、と言う質問に対して
一番多かったのが0円〜5,000円、
30,000円以上という人は28件中1人でした
(苦笑)

そこは割と予想通り。
無料だったので本当に間取りに行き詰まって悩んでいる人は少なかったので、そりゃそうだわな。
ただ、「提案の感想」、という違った問いの項目では
有料でも依頼したい」、という項目を選んでくれる方が大半だった。
問いの仕方で人は選ぶ項目や考えることが変わるんだな、と実感。
そっちを信じてみることにする。(前向き)

自分がその依頼にかける時間、考え方、それまでの経験値を見直しながら、
進めていった。
3万円でどれくらいの依頼をいただけるのか。
実験しながら続けていってみるしかない。

さて、どれくらい依頼が来たのでしょうか。

続く。

次回の記事は...
「そんな簡単にうまくいくわけないよね。」

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