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もやもやSDGs「気候変動 わたしはどうする」開催レポート

このままの暮らしを続けていたら地球が持たない!
2030年までに変わらなければ手遅れになる!!
こんなことが言われ始め、「SDGs」も常識のように知られる言葉になりました。
今回は、「雑衆応」さん主催のイベントに記録係として参加させていただきました。

1、概要

(日時)
 2021年4月2日(金)
 19:00~22:00
 オンライン(Zoom)

(内容)
 環境活動家の露木志奈さんと「気候変動 わたしはどうする」をテーマに応え合う

(流れ)
 ①オープニング
 ②参加者ブレイクアウトルームセッション
 ③露木志奈さんの講演
 ④感想共有
 ⑤アフターセッション


2、そもそも「もやもやSDGs」とは?

 実は、私自身このイベントについてよく知らず…主催者のみやしーに声をかけてもらったことがきっかけで参加することになりました。
最初に「もやもやSDGs」について紹介させてください。
なかなかおもしろいストーリーがありました。

そもそもは、このイベントを横で聞いていた梶村さんの娘さんが閉会のタイミングで、「SDGsが大事なのはわかるけど、SDGs教育ってなんか違うと思う」という爆弾発言をしたのがきっかけだそう。
そして、その言葉をすかさずひろったみやしーが、その娘さんにインタビューをし、高校生の教え子さん(高2)と娘さんのセッションを経て企画したのが「もやもやSDGs 教育Vol.1」なんだそうです。

1回目のイベントの様子が有料にはなりますが、こちらにまとめてあるようです!
小さなつぶやきも丁寧にひろわれ、こうしてつながっていくことがステキだなと思いました!

3、ブレイクアウトルームセッションでのもやもや度共有

ここからは、今回のイベントの中身についてお伝えしていきます。

まず、自己紹介も兼ねてブレイクアウトルームで、気候変動対策についての自分の取組みについてのモヤモヤ度を1から10で表し、その理由について交流しました。
5つのルームに分かれたのですが、どのルームでも1~5あたりの数値を示す方が多かったようです。理由としては

①何かしたいけれどどうすればいいか分からない
②今自分のやっていることが果たしてこれでいいのか分からない
③レジ袋は結局もらってしまう
④SDGsはやらされ感になってしまう…
などが話題として挙げられました。

4、待ちに待った露木志奈さん!!

さぁ!いよいよ志奈さんの話を聞きましょう♪
となるはずが…
みやしー
「まだ、露木さん入ってきません。。昨日連絡した時は大丈夫です!!って言ってたんだけどな。。」
今日は金曜の夜だし、露木さんは前の仕事が押していて忙しいよね!
参加者のみんなも、誰も責める雰囲気は無く、じゃあせっかくだから話をしましょうということで、イギリスの取組みを紹介してもらいました。

イギリスは日本と比べると、環境問題に対しての意識が高いようです。
有名な人がメディアに出て発信したり、環境問題の議論をみんなで共有したり。普段から環境に配慮したくらしを意識して選択していることが分かりました。

重曹とクエン酸だけで確かにきれいになるよなぁ~と話していると、
「露木さん入りました!!」
「お~~~!!!」
オンラインのイベントでゲストを拍手で迎えるってあんまりないなぁと思いつつ、こういう登場もいいなぁと感じるほっこりした時間でした。
しかも、遅れた原因がパソコンの更新が始まってしまったからだそうで。
出会いの時からつかみはバッチリでしたw
すごい人!と思っていたのですが、急に等身大の身近な人のように感じることができました♪

5、志奈さんのプロフィール紹介

露木 志奈(つゆき しいな)さん
自分の名前が好きすぎてブランドの名前にもした。と話してくださいました。ステキなお名前なのでこのnoteでは「志奈さん」とお呼びします。

お名前を検索するとたくさんの記事が出てきました!どんな風に紹介したらいいかと迷いながらいろいろサイトをみていました。

このサイトがすばらしくまとまっていました!いろいろとこのnoteでも紹介できたらいいのですが、ハチドリ電力さんのまとめ力には敵いませんのでこちらをご覧ください。

そして、こちらは志奈さんの作っている化粧品のHPです。

6、志奈さんとグリーンスクール

「グリーンスクール」
初めて聞く方もおられるかもしれません。

英語ですが…グリーンスクールのHPをのせておきます。

こちらは、日本語の記事です。個人的に分かりやすかったのでよかったらこちらもお読みください。

志奈さんは、「とにかくグリーンスクールで勉強したい!」と思い、当時は英語も全然しゃべれなかったそうですが、日本人初のグリーンスクール卒業生となりました。

グリーンスクールで学べる内容というよりも、まずその建物に惹かれたそうです。ここはゴミがでない仕組みになっていて、紙を使わずに、パソコンを使って学習するそうです。パソコンに使う電力も自然エネルギーでまかなっているのだそうです。
学校の作りや食事、グリーンスクールでの生活全てから素晴らしい刺激を受けたそうです。

その中でも「自分で授業を作る!」という授業スタイルが、志奈さんの化粧品ブランド立ち上げの一つのきっかけになりました。

7、志奈さんと妹

妹さんの肌は、もともと敏感肌で荒れやすかったそうです。「ナチュラル」を謳った肌に優しい化粧品を使っているのに肌が荒れることに対して、「なぜ??」と強く疑問を抱いた志奈さん。

*妹さん(左)と志奈さん(右)

原材料をみると、なんでこれを使っているのに「ナチュラル?」と疑問は深くなります。
ナチュラルには、明確な定義はないようです。

そして、調べていくうちに、化粧品開発で動物実験を行っていることにも気づかれ、そして衝撃的な言葉にも出会ってしまいます。

「動物実験をして商品開発しても研究結果の正確さは高くないんだよね」

それはつまり、意味もなく動物が犠牲になっているということです。

そして、バリ島には、9メートルにもわたるゴミの山があるそうです。そのゴミは、日本がお金を払って買ってもらっている結果なのだそう。

日々の小さな選択=世界につながっている
この気付きもあり、環境問題に強く意識を持つようになったそうです。

そしてそれが、妹さんに信用して使ってもらえる化粧品を作りたい!という想いにつながっていかれました。

8、志奈さんと同級生の女の子

でも、すぐには始める勇気がでなかったそうです。
そんなときに
「何かを始めるのに大人になるまで待たなくていい」という同い年の女の子の言葉と、その女の子が行動し続けた結果、バリ島の法律を変えた事実を知ることになります。

変化を起こすために必要な2つのことに
①個々の変化(一人ひとりの行動)
②システムの変化(企業、国、法律…)
があります。この女の子は、①から始め数年の時間をかけ最終的に②を変えることとなったのです。

勇気を得た志奈さんは、実際に口紅を開発しました。

9、志奈さんの口紅

こちらが、志奈さんの作った口紅です。
材料は6種類、全て口に入っても安全な物ばかりだそう。

そして口紅を作るプロセスで、
ひとつの物を作るのにも物語がたくさんある。作る前に動物実験をしていたり、使った後にごみの山になっていたり。見えていないだけで、私たちが消費しているものには物語があることに気付いた。」と教えてくれました。

この物語に気付くことが私たちの行動を変える大きなヒントとなりそうです。

10、山火事と家畜

近年、山火事のニュースをよく目にします。なぜ山火事が起きるのかというと、それは自然に起こるのではなく、人が山に火をつけているからなのです。

例えば「パーム油」

これについては、参加者からもいろいろ意見がでました。詳しくは、こちらのサイトに載っているのでご覧ください。

志奈さんは、キングコングの西野さんの言葉を引用して説明してくれました。

「包丁ってどうやって使いますか?家族のためにご飯を作るためにも使えるし、人を殺すためにも使えます。包丁が悪いのではなく、人間の扱い方の問題なんです。」

このパーム油も包丁と同じです。パーム油自体は悪くなくて、素晴らしいものだけれど、扱い方は変えなくてはいけません。

日本人がこんなにも肉を気軽に食べるようになったのは、そんなに長い歴史があるわけではありません。
そもそも肉は生き物で、哺乳類です。それなのにいつでもどこでも安く手に入るなんておかしくないですか?

地球に住む哺乳類のうち
野生動物…4%
ヒト  …36%
家畜  …60%
という驚きの結果があるそうです。

そして、この大量の家畜を育てるために貴重な熱帯雨林が焼かれています。
1kgの牛肉=25kgの穀物が必要と言われているそうです。
そして、この家畜がどんな環境で育てられているかはぜひ
「日本 畜産業 現状」
でyoutube検索してください。

ペットと家畜の違いは、名前がついているかどうかの違いしかないのです。

肉を食べるのを少し減らすだけで地球は平和になります。家畜はCO2の排出量も多いそうで。
今は、大豆ミートなど肉の代用品が多く作られています。

11、消費者の選択が世の中を作っている

無意識の行動が、原因になってしまうことがあります。

「肉を食べる=森を燃やしている」
森を燃やすつもりはなくても、肉を食べることが森を燃やすことにつながってしまっているのです。

世の中は、政治家や大企業が動かしているわけではありません。
政治家も企業も一番気にしているのは消費者です。消費者が求めるから商品は開発されているのです。

私たちの1つ1つの行動はちっぽけかもしれません。
でも、日々の選択が今の世の中を作っています。

無意識の選択に目を向ければ解決の選択にできる!

志奈さんは、なるべく「物を買わない」「肉を食べない」そうです。
でもそれは、環境を守るんだ!!というストイックすぎるものではなく、「お金もないし」という理由もあるそうです。
でもそれは、結果として、財布にも地球にも優しい選択となっているのです。

12、思いやりのある選択

電力は、持続可能なエネルギーに変えたという志奈さん。実はそれが結果として、安いのだそう!
どの会社にお金を払うか。それは自分の選択次第です。

2030年まで間に合わない。
やっても意味がない。

そんな声も実際にはあります。でも、見方を変えればあと9年もある!と捉えることができます。
自分という小さな世界を変えることからすべては始まります。

そもそも環境問題は、みんながちょっとずつ加担した結果起きた問題です。だから解決するためにもみんながちょっとずつ変えていけば変われるはずです。

みんなが「思いやりのある選択」をして、解決の選択をしていければ変わっていく!
そう力強く伝えてくださいました。
「思いやりのある選択」という言葉は個人的にすごく刺さりました。自分勝手ではない選択を意識することは物を買う時だけではなく、人と関わる時や、すべての行動をする上での大事な前提なような気がします。この言葉に出会えてよかったと思います。

13、講演後の感想から

講演が終わり、チャット欄の質問や意見を志奈さんに投げかける時間になりました。いくつか紹介します。

Q.自分ごとにできないのはなぜ?
A.物を買う時、実際の裏のストーリーを知らないから。知ることができれば選択は変わっていくはず。ストーリーを見えるように可視化していくことが大切。(企業は、選んでもらうためにそこを努力しようとしている)

・シェアリングエコノミーは良い解決方法だと思うから広がるといい。
・全く物を買わないのではなく、何にお金を使うか。
・人間にとって良いものは、地球にとっても良い。

14、志奈さんからのメッセージ

アフターセッションには志奈さんは参加できないということで最後にメッセージを頂きました。

諦めてしまっている人も多くて悲しくなる。
やってもいないのに、なんで諦めてるの?やればいいじゃん。
解決策が分かってればもうみんなやっている。
でも分からないからもやもやしているし、もやもやしている中で前に進んでいくことが解決策につながっていく。

自分自身のことを認知してもらえることが多くなった。
でもその分批判してくる人やつぶしにかかる人も増えてきてメンタル的につらくなる。
でも、前向きな感想をもらえると元気になるし、これからも温かく見守ってもらいたい。
いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

15、アフターセッション

ここでは、みやしーにとってのはじめましての人を中心に自己紹介をしていただくことになりました。
印象に残ったことを書いて置きます。

・たしかにきれいな状態であってほしいけれど、こんなにビニールってなくてもいいなと思う。
・みんなが自分の属する団体(会社・家庭など)の単位で考えていけば変わっていきそう。
・無理に意識するよりできることからやって、後付けで自分達の楽しめることをやっていくことがたいせつなのでは。
・後から考えたらSDGsの〇番だったね!でいいよね!!
・もやもやの程度は変わらないけど、もやもやの質が変わった。

最後の方は、息子の寝かしつけに入ってしまったので聞くことはできませんでした…。
でもその後は、スタッフからの感想をそれぞれもらって今日のイベントは無事終了したようです。

16、個人的な感想

志奈さんのお話を聞いていると、いろいろなターニングポイントがあったことが分かりました。でも根底には同級生の女の子の「何かを始めるのに大人になるまで待たなくていい」の精神があるように感じました。
常に今できるbetterな選択をとっておられること。自分の好きなことや得意なこととやっていきたいことのバランスをとっておられること。
志奈さんが多くの人から共感を得ているのは、志奈さんが本当に本気であり、あきらめておらず、明るさに満ちているからなんだろうなと感じました。あぁ私もがんばろう!やってみよう!と思わせてくれるステキな方です。

自分の行動なんかでは、世の中は変わらないと思うこときもありましたが、そうじゃないんだ!自分の行動はいろいろなところとつながっているし、結果として自分自身に帰ってくるということを再確認できました。
志奈さん、スタッフの皆さん、参加者の皆さん、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!



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