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ハレとケってなに?

「晴れの日」という言葉がある。記念すべき特別な日といったニュアンスで使われるだろうか。また、晴れの日に着る服は晴れ着と言われ、普段とは違う特別な意味合いを持つ服である。現在だと、成人式で着られる振袖や結婚式のウェディングドレスがそれにあたるだろうか。
そう考えると、「ハレ」という単語は今でも馴染みのある単語だからその意味もなんとなく想像が付きそうだ。一方、「ケ」はどういう意味なのかイメージしにくい。

民俗学でいう「ハレ」と「ケ」は柳田國男によって設定された概念だ。
「ハレ」は祭礼や年中行事、冠婚葬祭など特別な時間と空間のことを指す。
一方、「ケ」は普段の労働と休息の時間と空間のことを意味する。
柳田國男はこのハレとケとの循環のリズムから日本の生活が分析できると述べている。

このハレとケの循環の中に稲作を基礎とする民俗生活があったことを柳田は指摘しながら、それが近代化とともにハレとケの区別が曖昧になってきたことを指摘している。

また、日本におけるこのハレとケは二項対立する概念ではなく、相互補完、相互転換の関係にあるという。たとえば、普段の空間に注連縄を張るなどによってハレの場へと転換するといった具合である。

さらに、ハレとケが相互補完、相互転換の関係にあるという考え方の延長線上に「ケガレ」という概念が加わることになるが、ケガレについての説明は次回にしたいと思う。

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