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ただいま

ずっと思考停止していた。
していた、というか、たぶんさせていた。

考えた先にあるものを見つめるのがイヤで、そこから逃げていた。
放棄していた。

足を止めると焦りがちなわたしが、今回はあんまりいなくて、
自分の内側から湧いてくるものを、じっと、ずっと、
ぼーーっと待ち続けてみた。

考えるっていうシステムを、
最大限に省エネにして、
ほんとうに、ただ、生きていた。
心臓が動くから、生きていた。
おなかが空くから、生きていた。

思考を止めると、心が迷子になっていた。
感情が、どこかへさまよっていくみたいな感じ。
突然、悲しいが現れたり、
急に悔しいと情けないが渦巻いたり。
目の前に広がっている世界と、
心の中が、ちぐはぐ。


でも、おかげで、
周りの人たちが生きてるスピードとか、
眩しいくらいの輝きとか、
そういう、「わたし」じゃない周りの世界が
視界からぼんやり薄くなっていくようで。

ようやく、本当にやっと、
消えそうだった自分の指が、肩が、太ももが、足首が、
ちゃんとはっきりここにあるって、
確かめられた。

ほんのちょっと、頭が動き始めそうな予感。

ふわふわと空中を流れさまよう感情を
わたしのもとへ引き戻す手が、
やっと自分の意思で動かせそうな気がする。

そんなことに気づいた、4月1日。

おかえり、わたし。
あせらず、ゆっくりね。

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