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この件は、しばらく引きずることにする。

流れるように過ぎていく毎日に、置いていかれそうで。

なかなか綴ることができていないけれど、
留めておきたことを忘れないように。

「ほんとにこれは、けっこう落ち込んだ。」
「わたし、この件は、しばらく引きずることにする。」

目の前に立ちはだかる壁に直面した彼女が発したこの言葉に、
スッと頭が上向くような、ちょっとだけ自分の姿勢が良くなるような感覚がした。

病む。
陥る。
落ち込む。
気が沈む。

こういう状況って、自分の力では抗えないものだと思っていた。
抜け出そうと頑張っても、どうすることもできないことだから、
だから、落ち込んだり引きずったりしてると思っていた。
思い込んでいた。

「引きずることにするのって、自分で決めれるの?」
思わず口をついて出た言葉だった。

「だってこれはもう、決めたことやもん」

そうか。
落ち込むことにしてもいいのか。

そうするって決めてもいいのか。
てか、そうしてきたのか?
抗えない状態にいることに、実は自分でそうしてきたのか。

あぁ、そうか。

落ち込むことに決めた彼女の決断は、
かなり前を向いているように見えたし、
わたしの気持ちも上向きにさせた。

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