ボカコレ感想と思うことを少し

音楽界隈がボカコレ(ボーカロイドコレクション)で賑わっていた頃、いつものように曲を作りつつたまに酒を飲むなどしていた。ボーカロイドなるものが出てきたのも、もう10年ぐらい前だろうか。当時、高校生だった私は周りの友人がボカロにハマっていたので、何となく私も聴いていた。めっちゃハマったわけではないけど、炉心融解とかFrom Y to Yとかぽっぴっぽー(これ題名じゃなかった気がする…)とか爆発的に人気だった曲は今も覚えている。まだボーカロイドは廃れることなく曲が生み出されているんだなあと、何となく今回のボカコレを少し覗いてみた。

1位の曲に懐かしさを覚えたのは、それこそボカロが出てきて間もない10年前のあのバンドサウンド、メランコリックな歌詞と旋律、サビでコードが目まぐるしく変化していく様が再現されていたと感じたからかもしれない。このボカロらしさがずっと変わらずここまできたとなると、やっぱりボカロの定義って存在するんだなあと思ったり。それぞれがボカロらしさを残しつつ、自分の好きな表現を加えたりして実に多種多様な音楽がそこにはあった。日本でなければ生まれなかったであろう独特な文化だけど、誇りに思える。
ちなみに、印象に残った曲はどれもメロディーがよく、そこに変わったコードが置かれているのでより新鮮でインパクトが強かった。変わったコード進行だけでは記憶には残りにくいので、やはり印象に残る音楽という意味ではメロディーありきなのかなあと思ったり。まあいいメロディー量産できるなら誰も苦労してないよ、うん。

人とは違う音楽を作るために、昨今では複雑なコード進行が流行っている。Twitterでもそれは顕著で、反応を見ているとそういうツイートはやはり伸びている。まあ単純に、高校生は人と違う俺やべえ!な年代なので、そういうコード進行を考えるのが好きな人は反応を楽しみながら作っていると思うし、寧ろそういった創作意欲がなければ音楽は飽和し続けるだけなので、どんどんやって欲しい。そういう曲はすごくエネルギーを感じるので、その時の勢いを惜しみなく曲にできるのは素晴らしいこと。だからといってそれ以外の音楽が価値の低いものというわけではないし、他にも素晴らしい曲は一生の内に聴ききれないほどある。現在創作に勤しんでいる人もあまり数字や評価に敏感になりすぎず、自分の好きなものを追い求めるということを忘れないで欲しい。私がこういうことを言うのは、数字に出ないからといってささやかな夢を失っていく人を何人も見てきたから…。
コード進行はその人の趣味。無理に合わせなくていい。

私なんかこんなにマイペースですが、いつも見てくれている方や応援してくれる方もいます。数は多くないけど、私にとっては十分すぎるくらいありがたい存在です。いいねやリツイートしてくれている年齢層なんかも最近ちょっと気にしているのですが、幅広く様々な年代の方に聴いていただいているんだなあと少しずつ手応えが出てきました。よく言われる「お洒落」という言葉も、年代問わず言っていただけることが多く、「年齢を問わずいい音楽として評価されるもの」を意識している私としてはとても、とても嬉しい出来事です。ありがとうございます。

コニシユカさんとコラボさせていただいたことをきっかけに、水面下では声にまつわるコラボのお誘いもあったりと、今年の冬にかけてボーカル曲がちょこちょこ出る予定です。実は学生時代から声楽曲や合唱曲を書いたりしていたので、声に携わる楽曲制作がまたできるんだと思うと楽しみで仕方がないです。相変わらずまったりペースですが、いいもの作れるよう精進します。


tohma


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