Lycian Way #9 〜サヨナラcolor〜
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雷雨がくれたもの
アラキリセに到着したのも束の間、予報より早く雷雨が襲ってきた。
僕の計画が頓挫し途方に暮れたその刹那、聞き覚えのある声が耳に届いた。
「ミナート」
それはメソトであった。
彼は僕と別れた後も必死に歩いてアラキリセまで来たのだ。
僕の心には彼に対して自分から別れを告げて先に進んだことへの顔向けできない申し訳なさと、彼と再会できた喜びの感情が一気に押し寄せてきた。
強がりな僕は喜びを心の内に隠しながらも彼に近寄る。
メソトもどこか思