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ヤンゴン環状線でのスリル満点な任務

8月14日にヤンゴン管区内を回る環状線の列車でPDF(市民防衛隊)による警察官たちへの襲撃事件が起きました。襲撃任務を担当者したPDF隊員が自らの報告をまとめていきます。

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列車はヤンゴン中央駅から4時出発した4両構成でした。襲撃を担当するPDFの各隊員が計画通りに別々の駅で待機して乗り合せました。事件の一部始終を襲撃を担当したPDF隊員の大尉の満月氏(仮名)が事細かに話してくれました。

満月氏は88年にもクーデターを経験していて今回で2度目になります。今回のクーデター起きる前はヤンゴンで暮らす一般的な市民です。満月氏は軍政下の苦しい生活を経験してきました。

PDFの入隊決意

2月1日のクーデター当初は平和的なデモに積極的に参加していました。国軍の武力による弾圧で激しくなってきて平和的な手段では対抗できないと判断してPDFに入隊することを決意しました。その後EAO(少数民族武装組織)の支配下にある解放地域で戦闘訓練を受けました。訓練の後はヤンゴンに戻って市街地での国軍に対しての襲撃事件を担当していました。

列車の襲撃事件

環状線での襲撃任務は3分以内に完了させる計画でした。警察官たちへの襲撃と列車運転士への指示出しなどで担当が分かれていました。

満月大尉は警察官たちが乗った最後の車両に乗り込んで警察官たちからすこし離れた場所で待機しいました。警察官たちの前で最初に発砲する隊員たちが座りました。彼らが発砲し始めると近くで待機している別の隊員2人がしゃがみ込んで打込みました。更にその後ろから満月大尉たちが立ったまま打ち込んだそうです。

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写真:襲撃された警察官

使われたのは9ミリ弾を使う拳銃です。合計18発打込まれました。襲撃された警察官は6人で5人が死亡し1人は重傷です。

PDF隊員らは警察官たちが持っていた4丁のライフル銃を持ち逃げすることができました。任務完了後に予め待機している隊員が運転士へスピードを落とすように指示して次の駅に入る前に逃走しました。

PDFの襲撃特集部隊

襲撃を担当したのは攻撃に優れた隊員たちで武装者への攻撃のために訓練されていました。襲撃時間を2週間前から列車を観察して綿密に計画していたそうです。

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写真:警察官たちが持っていた武器

市民の犠牲を避けるために利用者の一番少ない土曜日を選びました。また銃声を抑えるために雨の時間帯に決行しました。市民とPDF隊員の怪我人はいません。

PDF特集部隊と任務の目的

今まで似たような任務を10回ほど担当しました。しかし戦いを望んで来たわけではありません。警察官と軍人に国軍の支配下から逃げるようにお願いしたいと満月大尉は言います。国軍が引かなければこういう襲撃は増えていくのは間違いないです。

PDFの隊員たちは都会育ちで教育を受けてきています。また若者が多く、インターネットやハイテック機器を使い慣れています。こういう襲撃任務には各隊員をサポートする中央司令室も存在します。警察官や兵士にむけてPDFを甘く見ないように注意喚起しました。

市民からの助け

市民の助けがなければこの任務は達成できなかっただろうと満月大尉は言います。襲撃に一部始終を目撃した乗客も国軍から取り調べについて間違った情報を提供して捜査を遅れさせました。また隊員たちが逃げがタイミングや場所についても曖昧な情報を教えた事によって隊員たちが楽に逃げ切れました。

善良な市民から暗殺者へ

PDF隊員たちは普段は一般市民で銃の使い方や人の殺しなどとは無縁です。それでもこの数ヶ月で映画さながらの襲撃を担当して人を殺害するまでなったのは正直なところ恐怖を感じます。

ただPDF隊員がこうならざるを得ない理由があります。国軍が無防備な市民を理由もなく殺害して生活を破壊する行為が善良な市民たちを追い詰めた一番の要因だと思っています。市民を守ってくれる警察管もいなく、兵士の姿を見ただけでゾッとする気持ちになります。

国軍崩壊の鍵

国軍がここまで乱暴に命を奪い取り続けられるのは国軍を支えている警察官や兵士の責任があることは間違いないです。国軍の行動が間違っていることは認識してい警察官と兵士は大勢います。彼らがCDMに参加して国軍の思い通りに動かないだけでこの問題は解決します。

最近になって毎日のように数十人規模で脱走する兵士が増えています。国民も脱走兵を快く受け入れるようになってきています。

国軍兵士の置かれている状況

EAOとの戦闘で酷い場合は100名近くの兵士が命を落とすこともあります。また輸送車両の爆破で数十人規模の死者を出す情報も今は驚きさえしなくなりました。それでも国軍の上層部は保身のために兵士を家畜のように扱います。

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写真:北シャン州戦闘で戦死して部隊において行かれた国軍兵士

死亡した兵士の遺体はその場でおいていかれます。きちんと埋葬されることはありません。7月のカヤー州の戦いではEAOとPDFの連合部隊が死亡した国軍兵士の埋葬をしていました。国軍からは兵士の遺族への支援や生活の保証はしません。兵士の死亡が家族に知らされないことも多々あります。

満月大尉のお願い

今は中立ではもういられません。どちらかをはっきり示す必要があります。気持ちは市民側でも警察官や兵士の制服を着て武装した形では市民は信頼できません。実際に行動で示す必要があります。さらに遅くなる前に家族を連れて逃げ出して欲しいと満月大尉は言いました。

国軍の記者会見でUSDP党(実質上国軍支配下の政党)の党員で地区管理者や国軍への情報提供者が170名以上暗殺されたと発表しました。ただ国軍からは兵士の死亡者数の発表はありません。

戦闘での死亡、CDMに参加して国軍へ反逆する兵士、脱走するなどの国軍兵士が合計5000名以上に登るとの情報もあります。今は国軍兵士が武器を持って投降すると賞金20万円で支払われて、安全を保証して受け入れてくれるシステムも生まれつつあります。もはや国軍の崩壊は時間の問題です。

※ 当記事はこちらのMyanmar Nowの記事をベースに作成されました
https://www.myanmar-now.org/mm/news/8071

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