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映画・ドラマのレビュー

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映画・ドラマ・ドキュメンタリーなど鑑賞した映像のレビューと、作品から感じたことを綴ります。(ネタバレあります)
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2021年4月の記事一覧

2021年春ドラマを真剣に見ることにしたーおすすめドラマ(その1)

昨年「愛の不時着」を観て以来、韓国ドラマの世界にどっぷりハマっていた私。 その影響で国内ドラマはとんとご無沙汰だった。 とはいえ、昔からドラマは大好きで、新しいクールが始まるととりあえず全てのドラマをチェックしていたほど。でも、いつしか国内ドラマを面白いと感じなくなりそれも止めてしまった。直近(と言っても数年前)オンエアで視聴した連ドラは「凪のお暇」「おっさんずラブ1」くらいだと思う。 でも、せっかく韓国ドラマ沼をきっかけにドラマ熱が再燃しているで、国内ドラマに回帰してみ

映画『スウィング・キッズ』ーそして自由の価値を知る

昨年公開になった韓国映画「スウィング・キッズ」をようやく鑑賞。 映画「フラガール」的な展開になるのかと思いきや、着地点は全く別の場所だった。 2時間を優に超えるこの作品の鑑賞後、なんとも言葉にできない感情が渦巻き、いつもはブチっと切ってしまうエンドロールまで観終えてもなお、余韻に浸っていた。 1.映画「スウィング・キッズ」の背景にあるもの物語は1951年朝鮮戦争下、捕虜を収容した韓国巨済島捕虜収容所を舞台に繰り広げられる。そこに収容されているのはアメリカ的自由主義思想に染

私は私であることから逃げられない-映画『私をくいとめて』

昨年末に観損ねた「私をくいとめて」が早くもAmazon Primeにやってきた。 主人公、黒田みつ子は31歳・恋人なしの一人暮らし。 気楽なおひとりさま生活を楽しんでいるが、脳内にいるもう一人の自分「A」との会話が心の支え。「A」はみつ子の精神安定剤的な役割を果たしている。 そんなみつ子が近所に住む取引先の年下男に恋をする。 恋人は欲しいけど、今の生活もそこそこ快適。 ゆらゆら揺れる三十路女の心情が、脳内「A」との会話と共に、コミカルに描かれるのがこの作品。 1. 誰か

ユン・セリとホン・チャヨン ヒロインが表現する可笑しみについて

ドラマを鑑賞する上で、ヒロインのキャラクターはとても重要。 嫌いなタイプのヒロインだと感情移入が難しく、結果として途中で挫折しかねない。 ちなみに私は「強い女」がヒロインのドラマが好み。 ウジウジメソメソな弱い女がヒロインだとイライラして体に悪い。 そう言う意味で、「愛の不時着」のユン・セリは完璧だった。 類い希な美貌はともかく、社会的地位が高く自立している彼女はまったくもってステレオタイプなヒロインではない。 また、頭の回転が早く合理主義者。つまらんことでグダグダ悩んだ