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映画・ドラマのレビュー

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映画・ドラマ・ドキュメンタリーなど鑑賞した映像のレビューと、作品から感じたことを綴ります。(ネタバレあります)
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2020年6月の記事一覧

『男と女』 許されぬ恋のリアルな結末がせつない

2016年/韓国 原題:A Man and a Woman 監督:イ・ユンギ どんなに好きでも、どんなに相手を必要としていても、どうすることもできないことがある。この映画では孤独を抱える家庭持ちの男女が出会い、激しく惹かれ合っっていく様とその行く末が描かれる。 --- サンミンの息子は普通の子供と少し違っていて行動がユニーク。 夫は息子を特別支援学校に入れることを勧めるが、彼女は普通学校で学ばせることにこだわっている。息子は彼女の全てだった。 そんな息子はお気に入りの

ユン・セリが出会った人生を変える恋と目的地への旅 『愛の不時着』

そろそろ「愛の不時着研究室」とか立ち上げたくなってきた。 「愛の不時着沼」から抜けられないことを受け入れてからは、一日最低一回は好きなシーンを拾い見するのが生活の一部となり、今やルーティンと化している。 ここでは、主役の一人であるユン・セリというキャラクターを深掘りしつつ、彼女がたどり着いた目的地について考えてみたい。 1. 生い立ちがユン・セリに与えた傷ユン・セリは韓国の財閥令嬢という設定。 しかし彼女は婚外子。育ての母であるユン夫人から疎まれて生きてきた。 また、

『パラサイト 半地下の家族』 "匂い"という刻印が物語る差別意識

2019年/韓国 原題:Parasite 監督:ポン・ジュノ 格差社会とは、収入や財産によって人間社会の構成員に階層化が生じ、階層間の遷移が困難である状態になっている社会。 このことは社会的地位の変化が困難、社会移動が少なく閉鎖性が強いことを意味している。 格差社会は社会問題の一つとして考えられている。(Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/格差社会 ) (ネタバレ:ストーリーについて言及していますのでご注意ください) 格差

不器用なソ・ダンの気持ちになって考える 『愛の不時着』

いったい何周観たかわからないほど「愛の不時着」が私の人生を占領している。 リ・ジョンヒョクにすっかり恋してしまい、好きなシーンを再生したりYoutubeで関連動画を見つけては眺める日々。 ところで、ユン・セリとリ・ジョンヒョクの恋物語に集中し過ぎて忘れがちだが、多くの視聴者の心を捕えた理想の男「リ・ジョンヒョク」と婚約までしていながら振られた女がいる。 それが、ソ・ジヘ演じる「ソ・ダン」。 鑑賞数周目にしてようやくリ・ジョンヒョク以外のことを考える余裕ができたので、ここで

『私の名前はキム・サムスン』 それでも人は恋をする

「愛の不時着」で韓国ドラマの世界に足を踏み入れてしまった私。 特に私の理想の男「リ・ジョンヒョク」を演じたヒョンビンが気になり、彼の出演映画やドラマを鑑賞するのが最近の日課となっている。 先日、2005年の大ヒットドラマ「私の名前はキム・サムスン」を観了したのでその感想を余韻が消えないうちに書いておきたいと思う。 観た後に恋をしたくなるドラマ 「私の名前はキム・サムスン」はまだ初々しさが残るヒョンビンを堪能しつつ、三十路女子の気持ちに共感しながら楽しめるラブコメディー

『愛の不時着』からみる恋愛感情を持続させる3つの要素

「恋に落ちる」 それは恋の喜びとそれを失う悲しみの両方を受け入れること。 恋の始まりには永遠かとも思える恋愛感情も、いつか終わりが訪れる。 喜びと悲しみ。それが恋。 でも「愛の不時着」を見てふと思った。 本当にそうなのだろうか。 また一気に燃え上がる恋ほど冷めるのが早いと言われるけれど、これは普遍的な事実なのだろうか。激しい恋愛感情を少しでも長く持続することはできないのだろうか。 昔に比べれば経済的に自立する女性が増え、結婚しない男女も増加傾向だ。当然ながら男女の力関

「愛の不時着ロス」から立ち直るための韓国映画5選

「愛の不時着」ロスがかなり重症。 週末も全話再鑑賞してしまったし、特に主役のヒョンビンに心を奪われてしまっていてダラダラと彼の動画をYoutubeで探してしまう。 さすがにこのままでは生活が崩壊するのでロスから立ち直るべく、主役の二人が出演している映画をがっつり見納めることにした。 明日からは心を強くもって「ロス」を封印しようと思う(たぶん)。 ということで「愛の不時着」ロスからの、Prime Videoで鑑賞した韓国映画5作にをご紹介します。 1. スウ