見出し画像

断るものと出逢うもの

生活を守ること。
それは自分にしかできない側面が強い。

生活には、基盤としての
身体の調子(体調)と
心の調子。
(私はこれをまとめて“調子”と呼ぶ。)

それらを健やかに保つための
適度な用事
…仕事、趣味、ボランティアなど。
そして、人付き合い。

その人にとって、よい具合の 忙しさ、急がしさがあると思う。

私は、誘いは結構お断りする方かもしれない。
ただ、
“あなたに誘われたから断る”
といったことは一度もない。

心に無理がある。
身体に無理がある。
私にとっては、場所が遠すぎる。
私にとっては、スケジュールが詰まりすぎる。

ほぼこれらのどれか。

好きなジャンルではないから、ということもあるけれど、極々まれかな。


余裕がなくなると思ったら、
ありがとう、と気持ちだけ受け取ってお断りする。
せっかく声をかけてくださったのに、申し訳ないと思う。

でも、
自分の生活を守るためでもあるし、
〇〇に行ったせいで具合が悪くなった、とか、
調子を崩した、となりたくない。

そういう気持ちで、誘ってくれた人をみたくはない。


―――


人に限らず、
何に出逢えるかは
運がある。

たまたまひねったラジオ。
顔をあげたところにあったポスター。
道に迷ったおかげで見られた花。

出逢いは一期一会で、大切にしたい。


力が抜けたとき、入ってくる。 
つかめなかったものも、
かたちを変えて、きっとまた巡り逢える。

全ての情報や機会を逃さないように、と必死になっていると、
息が詰まってしまう。

まずは今、目の前にあるものを丁寧に扱いたい。
自分の身体や心。

手を伸ばしたそこにいてくれる人たち、命たち。


―――


いつもの道を散歩しながら、
はじめまして、や
おひさしぶり、に
出逢う瞬間が好きだ。


昨日とは全く違う月。
一度も同じがない、日の出前の空。
壁にはりつくヤモリ。
雨露に輝く紫陽花。

毎日変わる川の音。
空の高さ、雲の厚さ。
ぐんぐん伸びるたらいの中の蓮や、
少しずつ変わる紅葉の実の色。

今朝の鳥たちの声は、
昨日の声とは違う。

昨日の鳥もいたかもしれない。
生き物たちは、だいたい同じ場所にいるから。

でも、陽気も、
鳥も私も、昨日とは違う。


また会ったね、
と犬が尻尾を振ってくれて、
この間とは違う表情をする。


世界はきれいなもので溢れている。
目の前を置き去りにして
遠くを探すより、
“今ここ”を味わいたい。


私にとっては、
それが生活を安定させ、
安心する土台を作るから。

2024.6.22

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?