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温もりでほぐす

精神科のDr.でもある
帚木蓬生(ははきぎほうせい)さんが、以前にラジオでお話しされていたことを思い出した。

回復には、口薬・日薬・目薬の3つが必要だ、と。

―――

信頼できる人からの
心ある寄り添いの言葉。

信頼できる人が
近くで見てくれていること。

だれでも、ではだめなのだろう。
信じきれる相手でないと。
ビートルズのHelp!で歌われるように。


人は、特別なだれか
…どんなことがあっても
ずっと一緒にいてくれると
信じきれる相手に、
そばにいてほしいんだ。


回復には、必ず時間が必要だ。
でも、待つこと、耐えることは、ひとりではつらい。

だから、自分で自分を急き立て、もがく。

―――

心臓が止まると、体は硬くなっていく(死後硬直)。
でも、手をくるみ、やさしくほぐしていくと、柔らかさを取り戻す。

特別なだれかに
今をまるごと受け入れてもらえると、
自分自身に心からのYESを言えるのかもしれない。

今のすべてを愛してもらえるということは、
過去も肯定されることだから。


硬い蕾が少しずつ開くようにほぐれていく。
音のたたない速度で、ゆっくりゆっくり、ほぐされていく。

今のそのままを認められたとき、
過去は温かな涙に包まれ、
未来を喜びの涙の向こうに
見ることができるのかもしれない。

―――

アルコールやドラッグの依存症の自助グループで、
会の別れ際に、毎回みんなで唱える言葉がある。



私にお与えください。

自分に変えられないものを
受け入れる落ち着きを。

変えられるものは
変えていく勇気を。

そして、ふたつのものを見分ける賢さを。

(『平安の祈り』より)

2024.6.2

ガウラ(別名:白蝶草)
名前の通り、
白い蝶のように軽やかだ

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