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風が暴れた日

16日の夕方から夜にかけて、
東京(多摩地区)はすさまじい風だった。
ピークは過ぎたあとだったが、自転車ごと飛ばされるかと思った。

竹林が大変なことに。
若い細い竹は折れて、一部は道路に吹き飛ばされてきた。
折れている箇所を見ると、まさに繊維のかたまり。
クマからどう進化したら、パンダの消化管になるのか、
不思議でたまらない。

危ないので一応端に寄せてきたけれど、また飛ばされちゃっているかなぁ。



竹の皮(たけのこの外皮)も竹林の地面から飛ばされ、あちらこちらに。
見慣れない人だったら、茶色で毛むくじゃらの怪しい物体が散らばった光景に、後ずさりしてしまったかもしれない。

おもしろがる人もいる。
そう、たくさん拾ってきたしまった。
ふやかして割いて、編もうと思う。

生えている竹が着ている姿を実際に見るまでは、少し不気味だと感じていた。
はがれかけた皮からのぞく、つやつやツルツルの緑の竹。
新品、生まれたて、という言葉がふさわしいだろうか。
“わぁっ、きれい!”
思わず口からもれてしまう、ピカピカの竹。

“この皮が守っていたんだなぁ” と感動した日から、
茶色の斑点のついた不格好なこの皮が、美しく見えるようになった。

――

道路に新緑の葉もたくさん落ちていたので、こちらも拾ってきた。
リース風にしてみた。

植物だって、強風、暴風は怖いよね。
人は天気予報で知るけれど、
それより早くから感じて、
おびえているかもしれない。


抗えず、抗わず。
コントロールできないことはある。
しないほうがよいこともある。

耐えることは大きな能力だと
認め合えたらいい。

部屋に入ると緑のかおり。
なんて気持ちがいいのだろう。

2024.5.16

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