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【第1戦】トイレへの恐怖を克服したその先【うんこファイター☆ユウ】

「いつもと勝手が違う」と感じたら、その次の瞬間には危険が潜んでいる。
いい歳した大人でも、その危険を回避できず、ミスしてしまうのだから、幼児にとっては尚更だ。
親に護ってもらえた実家とは違う場所に放り込まれ、よくわからないままその環境に馴染まなければいけない、そんな試練の最中でも、うんこウェーブは容赦なく襲来する。



最初の頃は行きたくなくて泣き喚いていた。



【戦場は保育園】

これを読んでいるあなたは、保育園に通っていた頃の記憶はあるだろうか?
幼稚園だった?
そんなもん入らずにダイレクトに小学校よ、という人も居るかもしれない。

それはともかく、ユウの闘いの中で、語るべき最も古いモノは、保育園で起きたエピソードだ。

保育園には、楽しいおゆうぎの時間だけでなく、お昼寝の時間がある。
最初の頃は親に護られた家を離れる不安から泣き喚いていたユウだったが、少しずつ保育園の環境に慣れてきていて、このお昼寝の時間は、緊張から解き放たれてリラックスして眠れていた。

そんなある日、お昼寝の時間の後で、緩み切ったユウのメンタルと肛門を、例のアイツが怒涛の如く襲ってきたのである。



アウェイ感が凄えんだわ。


【アウェイ】

実家ではおまる先輩に助けてもらっていたユウにとって、保育園は完全にアウェイだ。
迫り来るうんこの激しいウェーブは、我慢の快感と漏らしてしまう恐怖をもたらした。
昼寝を終えてその激しいウェーブに晒されたユウは、焦りつつもトイレを探した。

ところが...

トイレの場所も、使い方もわからない。
ありがたい事に、保母さん(※当時は保育士という名称ではなかったため、本記事は当時の基準に合わせた呼称で統一する)が察知してくれ、トイレの場所まで誘導してくれた。


だが。


トイレが怖い...。
母に刷り込まれた恐怖が、ここで脳裏によぎってしまった。

それでも勇気を振り絞って、トイレのドアを開けた。
ユウは強い子、男の子だ。



まさに「怒涛の如く」うんこウェーブは迫り来る。


【パニック】

激しいうんこウェーブとの闘いは、トイレに辿り着いた事でユウの勝利に近付いた...はずだった。
しかし、ここでユウはパニックに陥ってしまった


「トイレの使い方がわからんんぅ~~~~~~(´;ω;')」


日頃、おまる先輩に甘えてばかりだったユウは、保育園のトイレの使い方がわからなかったのだ。
どうしようもなくなり、再び廊下に戻って、アテもなく歩くしかなかった。

そうしている間に、うんこは肛門の守備を突破しつつあった
うんこさんの頭が、ゲートを潜り抜けてパンツへ到達しようとしていた...。




あっ...ああっ...。


【恥辱とれんらくちょう】

この時点でユウに勝ち筋は残っていなかった。
強いて言うなら、保母さんにトイレに同行してもらい、恥ずかしさを堪えてトイレの使い方を教えてもらいつつ、見られながらうんこをする...という展開だけは可能性があったかもしれない。

結果として、廊下をウロウロしている間に、肛門の守備は突破されてしまったのであった...。

それでもユウは、最後の抵抗をし、肛門の力を振り絞った。
すると、頭を出していたうんこはそこでいったん切れ、パンツと尻の間に挟まった

うんこを漏らしてしまった事実は、恥ずかし過ぎて誰にも知られたくない。
家に帰るまでなんとか誤魔化したかった。

しかし、パンツと尻の間に挟まったうんこの感触が気持ち悪く、自然と内股っぽくなってしまう。
この変な動きは、保母さんの1人に気付かれてしまった...。


保母:「あら?ユウくん、うんこしたいの?」


そう言って保母さんは近付いて来た。
時既に遅し。


保母:「ん?これは...」

保母:「ちょっと!パンツ脱いで!!」


その場でパンツを強制的に脱がされてしまった。
凄まじい恥ずかしさに襲われた。


保母:「あら、もううんこ出とるがね!!」


トイレに連行され、見られながらうんこを出す。
「なんでトイレでせんの?」「出る前に言いなさい」などと、容赦ない責めの言葉を投げかけられる。
悔しさと恥ずかしさを噛みしめ、うーうー、と泣きながら、保母さんに敗戦処理をしていただいた...。



その後...



帰宅したユウに、さらなる恥辱の追い討ちが待っていた。

母親:「あんた、保育園でうんこ漏らしたんね。」

母親:「れんらくちょうに書いてあるがね。『うんこをパンツにはさんでいました』って。」

母親:「ちゃんとトイレでするようにせんといけんねえ~。」


敗北した人間は、このような仕打ちを受けるのである。
人生にどれだけ負けが許されないのかを、この1敗が示してくれた。

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