【第2戦】小学校教師の教えに従った結果【うんこファイター☆ユウ】
現在を生きる多くの人の心の中に、「恩師」という存在はあるはずだ。
我々は人生の先輩から多くの物事を学び、生きている。
自分にとって良い事を教えてくださる方々は、とてもありがたいと思う。
その一方で、間違った知識を教え込んだり、役に立たない無駄なスキルをひけらかす輩も居るという事実は見過ごせない。
ユウが小学3年生の時の担任教師は、そのどちらでもなく、完全に役に立たないってわけでもないような気もするし、間違いとかそういう類でもないような、なんとも微妙な知識を児童に披露した。
それが後に、ユウに新たな恥辱を与える結果を生んだ...。
【小学校教師の脱線トーク】
世の中には様々なタイプの人間が存在している。
小学校教師も同様だ。
そのタイプの1種に、「脱線トーク好き」というのがある。
教師で言えば授業が本線で、その本線とは関係無い話をして聞かせ、悦に浸る人種がそれだ。
自らのうんこと闘い続ける日々を送っていたユウにとって、ある日この教師が話し始めた、「トイレに紙が無かった時の対処法」というネタはクリティカルだった。
この状況で、手元にある紙系の物が、「1千円札だけだったら?」「1万円札だけだったら?」という、今でもよく目にするしょーもない問いかけから、一連の脱線トークが開始されてしまった。
【3種の奥義】
「1万円札を犠牲にして尻のうんこを拭くのか?」「1千円札なら?」という、金銭感覚と心理の話なのかと思わせておいて、教師の話の主眼は別の所にあった。
教師:「お札1枚の面積で、いかに効率的に尻のうんこを拭き取って窮地を脱するか」
札を折り畳み、面の数を増やし、そこだけを用いて確実に尻穴付近のうんこを拭き取っていき、汚い面を折り畳んで別の面を使う...窮地を乗り切った後のお札は、ある程度水洗いしても大丈夫だ...意外と丈夫な和紙だから窓に貼り付けて乾かせばちゃんと使える...。
ほんまかいな?と半信半疑な児童達。
まあ、それはそれとして、児童の中から、新たな質問が出た。
児童:「財布持ってなくてお札すら無かった場合はどうしますか?」
この質問は、教師の想定範囲内だったらしい。
教師は即座にこう答えた。
教師:「トイレにある柱の角に、尻穴のうんこを擦り付けるのだ」
それ硬くね?
っていうかそれでうんこ拭き取れるものなの?
角に擦れたら肛門切れてしまいませんかね?
まあ...背に腹は代えられないという事だろう。
そもそも窮地なのだから、平時と同じ条件で物事を考えてはならない。
うんこまみれのままパンツを履くよりかはマシだ、と理解するべきか。
柱は後からウェットティッシュとかで拭けばいいしね、うん、うん、うん、こ。
だがしかし、こういう話の時の児童は、シンプルに条件を詰めようとするものだ。
すぐさま質問が飛んだ。
児童:「そんな柱の無いトイレだったら?」
いよいよ究極だ。
尻を擦れる角すら無い、という状況を想定しなければならない。
しかし、これほどまでに追い詰められた状況こそ、教師が話したかった到達点であった。
教師:「その時は...手で拭くのだ!!」
一同:「ええ~~~!!」「汚い!!」「嫌だ!!」
児童はどん引きである。
教師:「手は後で洗えばいい。むしろ紙だとかお札だとか柱だとかを使う必要すら、最初から無かったのではないか?これぞ究極の奥義である。」
聞いていた児童からはブーイングの嵐である。
クソをテーマにしたクソみたいな脱糞...いや、脱線トークだ、この時はそう片付けられて話は終わった。
【1年後の窮地】
それから1年後。
小学4年生になったユウの排便環境に変化が訪れていた。
ボットン便所の恐怖を少しずつ克服したユウは、母親が落ちた家のトイレ以外なら、ボットン便所でも排泄できるまでに成長していた。
簡易トイレも相変わらず使ってはいたものの、間に合うようであれば、隣の区画にある、‘集会所’のトイレでうんこをするようにしていた。
この集会所というのは、公民館みたいなもので、地域の住民が集まって「寄合」という名の会議...いや、飲み会を催す場所であった。
集会所のトイレは建物の裏側にあり、独立した空間だったので、寄合が無い時でも地域住民が使えるように開放されていた。
ある日、1週間我慢して、溜めに溜め続けたうんこが爆裂しそうになったユウは、間に合うと判断し、集会所のトイレに駆け込んだ。
結果、保育園時代の苦い経験を繰り返す事無く、勢い良く1週間ぶんのうんこの放出に成功した。
だが。
ユウ:「か...紙が...無い...(;>Д<)」
【思考の果てに】
久々の強烈なうんこウェーブを前に、紙の有無を確認する余裕は無かったのである。
本来このトイレに置かれていた紙は、肛門にヤスリをかけるような酷い触感の、質の悪い再生紙でしかなかったが、それでも有るのと無いのとでは大違いだ。
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
畳2帖ほどの狭いトイレ空間で、ユウは懸命に思考を巡らせた。
A案:パンツ捕手がうんこまみれになってもいいじゃないか、そのまま履いて帰ろうではないか。
B案:このまま私が帰らなければ家族が心配して紙を持って来てくれるはず!!
C案:ケツをキュッと締めて、パンツを履かずに猛ダッシュで帰れば目撃リスクを最小限に減らしつつ拭くチャンスも得られて助かるのでは?
A案は即却下。
B案は、うんこ拭けてないケツやちんこを家族に見られるハメになるので、4年生としては恥ずかし過ぎて却下。
C案はハイリスクにも程があるので却下。
途方に暮れたユウの頭に、1年前に教わった、3種の奥義が降りて来た...。
札は...無い。
財布すら持って来ていない。
手では...拭きたくない。
柱は...ある!!
【奥義の目撃者】
ついに、あの時教わった奥義を使う時が来た!!
うんこの付いた尻穴を、木柱の角に当て、上下に擦り付ける。
キュッ...
キュッ...
キュッ...
なんとも形容し難い、儚い音を残して、肛門と木柱の角が擦れる。
角ばっていて微妙に硬い木柱の肌触りは、正直気持ち良いものではない。
まあコンクリよりはマシだけどな...などと思っていたその時!!
トイレのすりガラスの向こうに人影が!!
大人ではないな、このシルエットは...弟じゃないか!
なんだ、帰りが遅いから様子を見に来たのか?
弟らしき影は、私の居るトイレのドアをノックした。
弟:「紙持って来たよ~。」
やはり、弟だった。
なんと、紙を持って来てくれたという...救世主やんけ!!
弟:「紙ここに置いとくね。母さんが、トイレに紙が無いブフッ!!...紙が無いのを思い出して、持ってブフッ!!持って行けって言われたから。」
「あ、ありがとう。」と返事をして紙を受け取り、その紙で尻を拭く事ができ、最悪の窮地からは脱したのであった。
しかし、弟が、何故か途中で笑いを噴き出してやがった...これはもう嫌な予感しかしない。
案の定、帰宅してみたら、弟が母親に、一部始終を話していた。
弟:「あのね、ケツをね、ブフッ!!柱にね、こう...ブフッ!!...キュッ!キュッ!ってね...ブフハハハハハハァあああああ!!!」
尻穴を木柱に擦り付ける動きまで、完全再現してやがった...。
弟に下剋上の大チャンスを与える事となってしまっただけに、1週間寝かせたうんこの威力...じゃねーよ!3年生の時の担任だよどうしてくれんだよ!!!!
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