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【第3戦 ~1stステージ~ 】60cm級との闘い【うんこファイター☆ユウ】

時間というのは、人間が創り出した概念だ。
実際は変化の連続に過ぎない、という考え方もある。

今、この瞬間を生きて、ここに居て、これを読んでいるあなたの価値観において、その「時間」がもたらす変化は、良いモノと悪いモノ、どちらが多いでしょうか?

良いモノは「幸運」、悪いモノは「不運」に分類される事が多く、予測ができる範囲も限られる。
1つの出来事において、そのどちらかだけが集中するケースはレア。
大体は、両方入り混じって更なる何かを引き起こす...。



「時間」というやつの力は静かに働いている



【10日間の沈黙】

14歳の夏、ユウのうんこ我慢癖は、ピークを迎えていた。
4日~7日の間に1度といううんこサイクルで、排出の際には肛門投手が軽く負傷するのが当たり前となっていた。

この頃には簡易トイレは完全に使わなくなっており、集会所のトイレがメインの戦場だった。
以前の悲劇の教訓から、自分自身で紙を持ち歩くという防衛策を編み出し、着実にうんこファイターとしての技術は向上していた。
しかし、ユウにはまだ解決していない不満があった。

集会所のトイレは、いわゆるボットン便所である。
こいつを使う事によって生じる、リバウンド...俗に言う「おつり」が気持ち悪かったのだ。
4日~7日間も熟成されたうんこは、それなりの質量を持っている。
その質量をある程度の高さから、液体と固体の混じった面に落とし...うん、これについてはそのぐらいにしておこう。

そうした不快に加え、相変わらず転落の不安はあったし、そこまでには至らないとしても、何かを穴に落としてしまうのではないかという心配は常にあった。
その不満が解消されないがために、ますますうんこを我慢する癖が悪化し、ついには10日間うんこをしない日が続いてしまった。



全力ダッシュすれば駅まで1分以内に行ける!


【新たなる戦場】

そんなユウの不満を解消する環境の変化が、この年に起きていた。

地域の下水道整備が進み、ユウが住む実家近くまでその範囲が広がったのだ!
それに伴い、まず、最寄り駅の駅舎が改装され、そのトイレが水洗化した!
ユウの実家からその駅までは、集会所のトイレに行くのと比べると、2倍の距離があるものの、水洗トイレを使える事で様々な不満が解消する。
これはうんこファイター☆ユウにとって、かなり大きな出来事だった。



暗闇は時として味方になる。


【深夜の波動】

10日間の沈黙を破り、ユウの肛門を圧す波動が起きたのは、午前0時を回る深夜だった。

その強烈なうんこウェーブに対し、ユウは果敢にも、駅のトイレを戦場に選んだ
過去最高に強烈なそれに耐えつつ、今までで最も遠い場所に辿り着かなければならなかった。

足の幅を広げて走るのは、肛門の開きを助長しそうで危険だ。
走った際の振動も、オープン★ザ★ゲート!!に繋がるエッセンスになる。
だからといってゆっくり歩くようでは間に合わない...かつての悲劇を繰り返してはならない。


ならば。


競歩だ!
競歩の要領で進めば良い。
その上で、踏み出す足幅は小さく、回転を速くして進むのだ。
さらに、ケツの筋肉を使って全力で肛門を締める。

この歩き方は、デューク更家氏が考案した、「更家ウォーク」「デュークズウォーク」に似ている。
それと比べたら、はるかに内股で気持ち悪い動きだけれど...。

幸いな事に、深夜の時間帯である。
どんな気持ち悪い歩き方をしていようと、終電すら過ぎ去った後のど田舎では、駅に行くまでの1分少々の距離で他人に見られる心配は無い。
ただでさえ街頭すら無い暗闇だ、自分のうんこ圧にだけ注意して進めばいい。


そして...



ユウのこの移動技は効果があったのか、強烈なウェーブに何度も肛門を圧されながらも、無事に駅のトイレに到達する事ができた。



西暦1995年 和式便器の闘い


【1stステージ】

改装され新しくなった駅の男性向けトイレは、入口奥の正面に小便器が2つ並んでおり、その右面に掃除道具入れと並んで大便用の個室が2つある。
個室は2つとも和式便器で、前述の通り水洗だ。

深夜のこんな時間に、他人が居るはずもない。
うん圧との闘いに集中し、最後まで気を緩める事無く、競歩式内股歩行術を駆使したまま、トイレの個室のドアを開けて中に入った。

中学3年生の14歳ともなれば、和式便器での排便経験は既にあった
トイレの恐怖はすっかり克服していて、都市部のデパートの水洗化された和式便器でうんこをした時には、その水勢に心強さを感じたものだ。

ズボンとパンツを下ろして、いよいよ排出体勢に入る。
散々我慢してきたが、もう肛の門を開け放ってもOKだ。


ムム...ムムムムッ...。


太い蛇のようなものが、尻の穴を通過する感触と共に、それは体外に排出された。


しかし。


ある程度まで出たところで何かにつかえてそれ以上出なくなってしまった
出そうといきんでも、壁に当たっているかのような抵抗が肛門に伝わるのみで、うんこが跳ね返されてしまう。


これはもしや...


尻の穴と、和式便器のフィールドまでの距離が、うんこの長さに対して短いのではないか!
それはもはや確信だった。
このまま出そうとしても、うんこが棒のようにつっかえるばかりで、何も進展がない。


どうする?


A:少し膝を伸ばして立ち気味になり、フィールドとの距離を稼ぐ。
B:この姿勢のまま前方向に移動し、うんこが前後に倒れるように出す。
C:尻の穴が大きくUの字を描くように動きながら排泄する。


A案は却下だ...。
この長きうんこが、どの方向に倒れるかがわからない...。
B案は良さそうだが...。
和式便器の縦幅1本で、このうんこが納まるか!?
となれば...C案しかないッ!!!





つづく...

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