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9/23放送回のENGEIグランドスラムの感想


前置き


お笑いディスり家のムラコスさんが、どうもリアルの生活が多忙な為、主に賞レース以外のお笑いネタのディスりは活動休止されるみたいなので、9/23放送のENGEIグランドスラムで披露された全ネタを、彼に代わってレビューしようと思います。
番組の配信ページはこちら

僕のお笑いネタに関する基本的な認識は、4~10分程度の短い尺は、漫才もコントもほぼやり尽くされていて、その上競技の参加者も多いし、短い尺の狭い射程範囲、ハッキリ言ってしまえば安全圏の中で、より芸としての完成度を競い合っている伝統芸という印象。
そこで新しい着眼点とか発想によって他を大きく引き離すような差別化を図る…というのはかなり難しいように思う。

だから、無茶苦茶面白いネタなんて、まずそうそう出てこないだろうとタカを括っているので、プレイヤーの方々には申し訳ないけれど、芸人さんのネタは、基本的にはずっと金正恩的スタンスで観ていて、今回のレビューもそのノリでかなり上から目線の偉そうな立場の物言いになることをご了承下さい。
まあ、何と言っても総書記なので。


僕がお笑いネタを観ている時の基本スタンス



それでは、早速各組のネタレビューに入ります。


ダイアン


・未だにダウンタウンのフォロワー丸出しの漫才コントの時点で古すぎて醒める。
・津田のリアクションは良いけど、サンドウィッチマンとかラバーガールのような小ボケの応酬で、津田は客の立場という設定なのに西澤のボケに長々と付き合う意味がわからない。
・「ファーストフードの正社員はパートよりも偉い」って前提も古くて引っかかる。ファーストフードとかコンビニは主に学生バイトで成り立ってるんだから、そこでの正社員なんて単なる管理役でしか無いやろとか思う。

ロッチ


・「釣り」の設定で「にぎりっぺ」という題材を組み合わせる掴みは意外性があって良かった。
・そこからのループ展開は、正直2000年代のオタクカルチャーで散々やり尽くされているので、まどマギ以降はお腹いっぱいという感じだけど、お笑いのネタの場合も、ループものは単なる天丼ネタにしかならないし、天丼ボケは一発目よりも威力が弱まるのが宿命みたいなとこがあるので、ループ構造のネタが持て囃されたらいよいよ終わりの始まり感はある。

見取り図


・「ミシュランガイドの調査員」の存在は多くの人にとって謎めいていて興味を惹かれるので、店側よりもミシュラン側をボケにしてネタを作った方が面白くなるのでは?

東京03


・ネタ自体は短い尺の中だとこれ位が精一杯の面白さかなとか思う。
それはそれとして、彼らは割と集団いじめ的なネタがかなり多いのに、クリーンなイメージで好感度が高いのが前から不思議。

陣内智則


・冒頭の「映像コントのパイオニア」って紹介は語弊が大きいだろと思った。
正確には、「映像を使った舞台コントのパイオニア」で、それは恥ずかしいから単に他の人が誰もやりたがらないだけでは?
・ダイアンの時も思ったけど、この手の店に出くわして悠長に注文を頼み続ける客なんて存在しないので、展開が何かもご都合主義。
・今どき大黒摩季の曲って、ネタ自体は幼稚な子供だましの割に想定している対象年齢が意味不明すぎる。

ハライチ


・テレパシーを題材にしたネタって、その後は統合失調症的な展開にしないと取り上げる意味が無いと思うけど、これは掴みの設定をちゃぶ台返しして、実はスマホ通話の電波障害なだけってとこが最大の山場でそこからは蛇足。

チョコレートプラネット


・面白かったけど、もう少し厄介なクレーマー感を出した方が良いと思う。

ジェラードン


・ジャルジャルのネタとの違いは、予想がつく展開かそうでないか。
ジェラードンの今回のネタは最初から最後まで予想を裏切る事が無かった。
よって、ありきたりでつまらない。

爆笑問題


・爆笑問題の時事ネタで笑った事がない。
2009年頃に、勉強の為に彼らの漫才をまとめた最新のDVDを新品で買った時に9割引されていたので、世間的にもほとんどウケて無かったと思う。
余談だけど、そのDVDを一通り見て、すぐブックオフに売りに行ったら300円位にしかならなかった。

ギャロップ


・僕自身も個人的に寿司に醤油はあんまり付けたくないし、塩ラーメンとか牛塩タンが好きだから、他にも別にカッコつけとかではなく普通に薄味を好む人は大勢いると思う。
というか、関西地域は特に薄味の料理が多いでしょ。
なのに、ツッコミの方が変なこと言っているような空気になっているのが不思議だった。
ギャロップとか麒麟みたいな、ツッコミ役がボケのような立場って視点がブレるから苦手。

囲碁将棋


・無難に面白いけど、これもしつこい天丼ネタだから全体的にパンチが弱い。

さらば青春の光


・オチの予想はついたけど、これまでのネタの中だと一番面白かった。
というか、ネタ時間4~5分ってやはり短すぎると思う。

ロングコートダディ


・ジャムおじさんも、それを受け入れている遅刻しそうな女子高生も気持ち悪いので、兎のキャラでウケているだけでは?と思う。兎って赤塚不二夫キャラ顔だよね。
これもショートコントの羅列ネタってループものっぽいなあ。。

2丁拳銃


・「花咲く~♪」のところだけ面白かった。
後はつまらない天丼ばっかりで、全然引っかからなかった。
というか、今回天丼ネタ多すぎだろ。

男性ブランコ


・「全治癒」は面白かった。RPGの全回復ポイントみたいなイメージ。

天才ピアニスト


・こないだのABCお笑いグランプリでも披露したネタで、ツカミは面白いけどそれだけという印象。
色んな種類の笑い方とか咳き込む仕草なども全て真似してくるおばさんという設定にした方が良いのでは。ポケモンのメタモン的キャラみたいな。

ナイチンゲールダンス


・ダジャレの小ボケを多すぎて全く掴まれなくて関心が失せる。

バカリズム


・さすがバカリズムというか、怪談エピソードなんて心持ち次第で簡単に粉砕できるよね。
ピンネタは競技人口が少ないので、コンビと比べてまだ当分は古臭くならないと思う。ピンネタ=バカリズム利権みたいな印象すらある。


総括

トリのバカリズムが一番面白かった。
このネタを番組の最後に持ってきたという事は、スタッフ的にも今回のNo.1という認識なのかな?

にしても、今回だけかもしれないけど、あまりにも天丼ネタが多すぎて、視聴しながらだんだん虚しさを感じてきた。
ネタ作成の難易度をどんどん上がるのに反比例して、その労力に対する見返りの割が合わなさすぎるので、真面目にネタを考えるのがアホらしくなるよね。

4~6分くらいの範囲の短い尺のネタで新しいことなんて、もうほとんど残っていないから、一般の人から飽きられるのもぶっちゃけ時間の問題だと思うんだよな。
というか、以前から伝統芸能化が進みまくっているので、既に飽きている人も多いだろうなという印象がある。

個人的には、賞レースとフリップ大喜利はもうあんまりやらない方が良いのでは、と思っていたりするんだけど、果たして今後のお笑い界は一体どうなっていくのだろうか?

個人的には、今は別に特に思い入れも無いので、お笑い界がどうなろうと知ったこっちゃないです!

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