Tableau Desktop Specialist 合格体験記と勉強上でのポイントについて(2023年3月受験)

伝えたいこと:TableauDesktopSpecialistの体験記

先日、Tableau DeskotopSpecialistの試験を受けて合格をいただいた。
情報がなく中々とっつきづらい試験だったので、後に続く方のために色々と情報を残しておこうと思う。
ちなみに私自身のTableau 歴は気が付けば4年近くになる。ある程度習熟したうえで受験する人はかなり珍しいと思うので、ある程度分かってる人ならではの勉強をする上でのポイントを記載した。是非読んでいってほしい。

受けようと思った理由

公式資格が欲しかったからである。私がTableau 関連で有しているのはDATASaberだけで、例えば会社のデータベースには私がTableau 人材だと分かる情報がない。いい機会なので公式資格かつ有効期限の特にないDeskotopSpecialistに挑戦することにした。
あと会社からの合格支援金が3月までだったという裏事情もある。

試験概要

まず早速注意点なのだが、この試験は何度か改定がされているようで古い情報がチラホラと混じっている。執筆当時(2023年3月時点)の情報は以下の通りである。
45個の問題に答えられたら合格で、合格基準スコアが750らしいので7割くらいで合格なのだと思う。かつては実技試験があったようだが現時点ではない。ひたすら選択式の問題を解いていくような試験になる。

設問数: 多肢選択式と複数選択式あわせて 45 問
製品バージョン: 2022.3 の試験を実施中
試験時間: 60 分 (秘密保持契約を確認するための 3 分を含む)
提供言語: 英語、日本語、中国語 (簡体字)
合格基準: 750
試験結果: 試験終了後 48 時間以内にメールで通知
前提条件: なし
受験料: 100 米ドル (現地法で定められている適用税は別途申し受けます)
日程変更手数料: 25 米ドル (現地法で定められている適用税は別途申し受けます)
試験実施方法: 試験監督付き試験 (ピアソン VUE テストセンターで実施)、試験監督付きオンライン試験環境
受験受付時間: 試験開始予定時刻の 30 分前から受付開始
参考資料の持ち込み: 試験中はハードコピーかオンラインかを問わず資料は使用禁止

試験の詳細より引用
https://www.tableau.com/ja-jp/learn/certification/tableau-desktop-specialist-exam-guide

事前に勉強したこと

出題範囲を見て実際にTableau を触り倒した。先輩のアドバイス曰く「脳内にTableauがあればよい」とのことだったので色々と触り倒した。
勉強時間だが、ある程度Tableau を使った実務経験があるので、この試験に向けてめちゃくちゃ勉強したわけではない。休日2~3日くらいをこの試験勉強にあてたくらいである。
ちなみに普段触らず自信がない機能は公式ヘルプで勉強した。特に勉強したのは以下の領域である。この辺りは意外と触らない人も多いのではないだろうか。実際に試験に出たものも多いかったので、是非勉強してほしい。

1.1.4 メタデータのプロパティを .TDS に保存する
以下ヘルプが参考になる。tdsとは実データが含まれていないが、データの加工過程が記録されたものである。ついでにtwbxやhyperについても勉強するといいと思う。

2.2.5 日付フィルターを追加する
普段使わない相対日付回りを自信がなかったので勉強した。
ちなみに相対日付とは、その名の通りある基準(デフォルトは閲覧日)からN日後のような相対的な日付でフィルタする機能である。

3.1.4 ビジュアライゼーションアニメーションを設定する
社内環境の問題で私が古いバージョンのTableauを使っているので、アニメーションは今回初めて勉強した。試験に限らず、どうやって設定するか、何を変えられるかは覚えて損はないと思う。

3.2.5. ストーリーとストーリーポイントを作成する
ストーリ機能も私は使ったことがない。色々なダッシュボードやシートをひとつながりのシナリオとして説明するための機能である。

3.2.4 ダッシュボードレイアウトを設定して、デバイスに応じたダッシュボードを作成する
社内環境の問題(外部アクセス不可)のため、普段は1種類しか作らずレスポンシブなダッシュボードを作ったことがないので勉強になった。どういったタイプが設定できるか、1つ変更するとどのような影響が起きるかを触って覚えよう。

そんなこんなで試験当日を迎えたのだった。

当日の実況中継

本試験は自宅でも受験可能だが、私は近くにあるテストセンターで受験することにした。以前別の試験を自宅で受験したときに機材トラブルに悩まされたので、テストセンターで受験する方が無難だと思う。
降りしきる雨の中、試験会場に向かい本人確認を受ける。提出書類は免許証1つで問題なかった(予備としてマイナンバーカードも持ってました)。持ち込み禁止なので、携帯含めあらゆる荷物はロッカーにしまった。
座席についた後は、注意書きを読んで試験を開始する。ちなみによーいドン的なことはなく、注意書きにYESを押したらいきなり問題が始まったのには少し驚いた。
予想よりも若干難しいなと思いつつ解いていったが、割とサクサクとは解けた。大体30分くらいで解き終わり、後は問題文の吟味をしていた。ちなみに回答漏れがないかはチェックする機能があるので使うといいと思う。
事後アンケートに答えた後、その場で結果が分かり、Passと表示された。合格である。ふう、一安心。

合格した感想

とりあえず合格が出来て良かった。特に操作方法は悩ましい問題文が多いのでTableauの画面を思い出しながら頑張って解いた。全体的に複雑なことは聞かれないが、暗記物が多い印象なので、きちんとTableau使ってる人ならば解ける試験になってると思う。これで今日から私もSpecialistである。わーい。
勉強についていうと、通常の試験とは異なり参考書がないのがやりづらかった。例えばAWSの資格であれば練習問題がたくさんあるので、テキスト読んで演習すればスキルアップが出来る。しかしこの試験には参考書がなく、合格を目指して勉強をするのは中々難しいだろう。
聞いてくるのも割と細かい情報が多いなと感じたので、これを目標にした自己研鑽というのはおススメしがたい。多分実務で半年くらい使った後に腕試しで受けるのがいい試験なのかなと思った。ハードルはそれほど高くないし有効期限もない資格なので、挑戦してみるのは良いことだと思う。

勉強する上でのポイントについて

大変お待たせして申し訳ない。多分皆さんが最も気になってるパートについて解説する。この試験に合格するには以下4つを意識するといいと思う。

①画面の呼び名を正確に覚えること
この試験ではTableauの操作を問う問題が結構出る。もし画面の呼び名を理解していない場合、試験問題が暗号文にしか見えなくなる。例として公式の練習問題を引用してみよう。

ビューでフィールドラベルを使ってグループを作成しました。 ここで、グループからいくつかのメンバーを削除する必要があります。 どうすればいいですか?
a. ビューでグループメンバーを右クリックし、[除外] を選択する
b. [データ] ペインでグループを右クリックし、[グループの編集] を選択する
c. ビューでグループメンバーを右クリックし、[書式設定] を選択する
d. 色の凡例でグループメンバーを右クリックし、[凡例の書式設定] を選択する

TableauDeskotopSpecialist試験ガイドより 試験の練習問題

[データ]ペインといわれて何を指すかすぐに分かるだろうか? フィールドラベルと言われてどれ分かるだろうか? 画面の呼び方はこれを機会にしっかり覚えておこう。とりあえず公式ヘルプを引用しておくが、誰か良い感じの記事を見つけたら誰かそれを教えて欲しい。

②操作手順を正確に覚えること、特に複数手順あるものや書式設定は要注意
先の問題を見て分かるように、どのような操作をすれば出来るかが結構出題される。普段は適当に試行錯誤すればどうにかなるが、試験ではそうはいかない。先人が脳内Tableauが欲しいと言ってた気持ちはこういったものから生まれたのだろう。
やりたいことに対してどこの何を操作したら出来るかはきちんと覚えておくべきである。複数回答あるものは複数回答を要求してくるので両方覚えないといけない。改めて手順を見直そう(2つ目の手順は上のメニューから選ぶことが多い)。特に書式設定周りは複数解法があるので結構厳しい。私も全部答えられた気はしないが、意識しておいて損はないだろう。

③ディメンション、メジャー、連続・不連続を理解すること
出題範囲の領域4には「Tableauの概念の理解」がある。この領域は暗記物ではなくきちんと理解していれば解ける問題が多いと思う。
この辺りの概念の解説はganekoさんの素晴らしい記事があるのでそちらを引用する。この記事の11番の集計・非集計まで読んできっちり理解すれば問題ないだろう。

ちなみに連続・不連続については僭越ながら私の記事も推したい。ここで書かれている内容が実際に試験で出たので、私としてはテンションマックスであった。少々長いが参考にしてほしい。

④データソース周りはもっと勉強すべきだった
ここは今までのものとは少し毛色が違い、私の後悔である。今回の出題範囲には元データの作成も含まれており、具体的には以下の領域がある。

1.1.1 データソースへのライブ接続を作成する
1.1.2 ライブ接続と抽出の違いを説明する
1.1.3 抽出を作成する
1.1.5 複数の接続を使用するデータソースを作成する
1.2.1 データソースに関係を追加する
1.2.2 結合やユニオンを追加する
1.2.3 結合と関係それぞれの使用場面を説明する

Tableau Desktop Specialist 試験ガイドより引用
https://www.tableau.com/ja-jp/learn/certification/tableau-desktop-specialist-exam-guide

普段整形されたデータを使っているだけだと、この辺りは中々意識しない。改めて勉強をしよう。例えばライブ接続と抽出のメリットデメリットをきちんと説明できるだろうか? リレーション(関係)と結合について機能の差分を理解しているだろうか? 結合とユニオンの違いを分かっているだろうか? 実務上はこの辺りも重要なことなので理解を深めておこう。

余談:演習問題は良い練習になる

演習問題というのは理解を深めるうえで良い手段だなぁと思った。私も本番の問題を解きながら結構勉強になった。
そこでふと思ったのだが、解説記事だけではなく演習問題を作るのも理解を促進させる良い手段になると思った。いつかクエリパイプライン演習問題30選とかを気が向いた時にでも作ってみたい。

という訳でこれからもTableau 布教活動はゆるりと頑張ります。

もし記載誤り等があればTwitterで連絡いただけると助かります。
ご意見・ご感想もお待ちしています。どうぞお手柔らかに・・
ついったー→ https://twitter.com/minoru_tech


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