阿寒の森の間伐材のストーリー

前回のままだとちょっとかっこ良すぎるので(そこの思いに嘘はないんですよ)、阿寒の森間伐材アート展による私自身のメリットについても白状しておこうと思います。ちょっと長くなりそうなので2回に分けようと思います。皆さんめげずにお付き合いください。

その第1部がストーリーです。
阿寒の森間伐材アート展にはとても素晴らしいストーリーがあります。
以前にも書きましたが、「阿寒の森間伐材アート展」は阿寒湖周辺の間伐材を使い、阿寒湖の作家が制作した作品の展示会です。そのバックボーンとして前田一歩園財団の森林保全活動がある訳ですが、まずはこの財団の活動にストーリーがあります。

阿寒湖周辺の森は現在国立公園にも指定され、多くの人に自然の美しさを感じさせてくれます。この美しさがあるのは、前田一歩園さんのおかげなんです、
財団の前身である前田家が土地の管理者となってすぐの頃は牧場を拓くべく多くの木が伐られていたそうです。しかし、いざこの地を訪れた当時の園主は考えをあらため、一度伐った森を観るための森に戻そうと言い出したそうです。そして今でも「人の手を加えながら原始の森を取り戻す」という森林保全活動になっているのです。「手付かずの森を守る」でもなく、「伐るための森を育てる」でもないこの活動が、阿寒湖の森の美しい自然環境を作っているわけです。

そしてもうひとつのストーリーが「木彫り作家が集まる街」です。現在でも北海道と言えば木彫り熊というイメージが残っていますが、昭和の時代のそれはもっと強いもので北海道の観光土産に木彫りは欠かせないものでした。同時に北海道中に木彫りの作家が多くいたそうです。しかし、時代が流れ木彫りの人気が下がるとともに作家の数も減っていきました。そんな中でも阿寒湖は木彫りの文化を繋げ、現在でも多くの作家が集まっている地域となっています。これは結構レアなことで、北海道はもちろん全国的にも有数と言えます。

そして阿寒の森の間伐材の取り組みには、この2つのストーリーを繋げるストーリーがあります。
作家の多くは阿寒湖の自然を愛しています。前田一歩園財団は自らの管理地で育った木彫りの文化を大切に思っています。このお互いの思いがリンクしたのが阿寒の森の間伐材の取り組みです。だからこそ互いの理解を深め合うことにまなり、非常に協力的な関係性を築けています。

この一連のストーリーはとても素晴らしく、とても貴重なものだと私は思っています。だからこそそこに関われたことに誇りを持っています。
では、何が私にとって(私の目標にとって)メリットなのか。これが次回第2部になります。

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