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足立実の『ひと言』第42回 「現状に甘んずるな-労資関係の相対的安定」 1987年10月10日

 組合を結成した当初は、資本家が組合をつぶそうと激しい攻撃をかけてくるし、支部も必死で反撃する。毎日戦術討議ということになる。
 この試練の時期を乗り切ると、会社も組合つぶしをあきらめ、支部も力をつけて、労資関係は一時的「安定期」に入る。
 一時的というのは、わが方に緩みがでたり、団結が弱まったり、失敗があると相手は主導権を奪って再び組合つぶしを始め るから、「安定」は力関係の反映だと考えるのが正しいと思う。だから私達はたえず支部を強化拡大する必要がある。
 「安定期」の中で警戒すべきことは、緊張が薄れ、組合活動が定例会議と年中行事をこなすだけになることで、そうなると二組や未組織の仲間の中に闘いを広げる意欲が減退し、戦術討議も姿を消す。
 現状に甘んじ、マンネリになったとき、後退と弱体化が始まる。
 少数派の支部は少数派に甘んじない。そして多数派になるため、職場の仲間の中にどう入るか。多数派の支部は企業内の「安定」に甘んじない。そして地域の未組織の仲間の中にどう入るか。二、三年先の見通しと計画をどう立てるか。
 資本家は攻撃の機をうかがっている。私達労働者が地位と利益を守るには前へ進む以外にない。
 私達は初心を忘れず、労働者の未来と私たちの組合の飛躍的発展に情熱を燃やして、積極的方針、計画を立てよう。(実)

(画像はある高校にたつ「自彊不息」の石碑)

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管理人はこのコラムを読んで「自彊不息(じきょうやまず)」の四字熟語を想起した。

これは中国の古典、五経の一つで易経の言葉である。

「一日の安を偸(ぬす)めば一日、一年の労を慰(い)せば一年、一生の楽を求めば一生、その道を得る能(あた)わず。天行は健(すこやか)なり。君子以て自ら彊(つと)めて息(や)まざるべし」

楽を求めればその道を極める事は出来ない。天地の運行がすこやかであるように、人格者は自ら努め励み、怠ることはない。

不断の努力が大切ということである。

組合活動も同じである。

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