「まちだ里山農の会」沿革編 - 栗園 開拓開墾の記
この記事は、なぜ私たちが「まちだ里山農の会」を創設したのか? の続編である。
2012年4月に会員圃場に加えて、農地バンクで3圃場の借り入れが決定したが、耕作開始にあたり難関の圃場が一つあった。それは野津田の谷戸にある綾部原耕作放棄地である。
約2反あり、水田→栗林そして放棄されて10年以上が経過し、栗の老木が50本、ほぼ等間隔に植樹されており、雑木と葛や雑草に覆われた惨憺たる圃場であった。
まずは実地踏査するが何から手を付けて良いか呆然とあるく会員たち。
まるでお化けの森のようで、夜間は灯も無く、とても人が立ち入れない。
とりあえずは朽ちた栗の木を切り倒し、徹底的に葛の根を取り除くことからスタートすることにした。
他圃場の夏野菜の準備と並行し、伐採開墾作業を行い、景色が変わって奥の物置が道路から見えるようになって来た。
事件が起きた。
2012年6月12日夜、夕食を食べている最中に一本の電話が、
「警察です。O爺さんですか? 野津田の圃場が燃えています。すぐに来てください!」
慌てふためき、現場に駆け付けた。そこには焼けた物置が・・・
すでに消火されて、近隣に類焼することも無くまずは一安心。
消防士と警察官から圃場管理者として現場で聴取され、明日現場検証するので立ち会うように指示される。
事件では、真っ先に疑われるのは第一発見者と当事者と「七人の刑事」などテレビドラマで見た事がある。
「あー、疑われているぞ!!! ドキドキ 私は何もしていません。」と心の声がでも言うとますます疑われそうだと口を閉じた。
現場検証後、事情聴取という名目の取り調べに警察に出向く。
刑「発火時間はどちらにいましたか?」
爺「自宅で家族と夕食をとっていました。」
刑「あなた煙草吸いますか?」
爺「20歳で禁煙しました。」
刑「あの物置は保険に入っていますか?」
爺「ぃぃぇ・・・」
あー完全に疑われている。どうしよう。
でもお昼だし、カツ丼出るのかなぁ?
後日、物置の裏にガソリンを撒かれての放火案件であると消防署から報告があり、疑いが晴れてどっと肩の荷が下りた。
その後、焼け跡を片付け、一部で耕作を開始した。
物置小屋の再建や伐採伐根もすべて完了。ごみの不法投棄事件もあったが、今ではすっかり開け、谷戸の地の利で風雨の影響も少ない絶好の耕作地と変貌した。そして近くの湧水を水源とする小川では初夏になると蛍が乱舞するという嬉しいおまけまで付いている。
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