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自立的に活動をすすめる

はじめに

宮崎県都城市祝吉で療育活動をしています「放課後等デイサービスデイジー」です。

今回は利用者が自立的に活動を進めていくことについてお話しさせていただきます。

どうぞよろしくお願いします。

目的は自立

活動を進めていく際、文脈に依存していたり、周囲の人の指示待ちになっていたりする状態の利用者がいます。

この場合、活動を進められていたとしても自立度としては低いように感じます。状況が変わったり、他の人からの指示がない状況では自分で活動を進められなくなるからです。

デイジーで大切にしていることの1つに「目的は自立」があります。
自立的に活動できることは生活や将来の幅を広げてくれます。
自己肯定感や自己効力感を高めてくれるとも感じています。

デイジーで自立を支えるために様々な設定をしています。

例えば
・1日の活動の見通しを伝える手立て(スケジュール)を設定する。

スケジュールの例。この例ではデイジーに来てから帰るまでの活動が提示されています。(2枚目に「家に帰る」が出てきます)


・活動内容の見通しを伝える手立て(ワークシステム)を設定する。などがあります。

ワークシステムの例。「1人でべんきょう」のエリアに来たら「A-1」の課題をして終わったら「B-2」の課題をする。終わったら「活動をえらぶ」をする。


このような設定は「時間の境界(「今は○○、その後△△」など)」や「空間の境界(「○○のエリアで過ごす」など)」を具体的に伝えてくれます。

また、「注目を助け習慣を支えてくれること」や「リマインダーとして記憶の補助」にもなります。

見通しや期待されていることが具体的になっていることは「安心感・安全感」にもつながります。

利用者にとって「分かりやすく、学びやすい環境」になります。

こうした設定があることは利用者がデイジーで過ごす中で自然な形で成功体験をしやすく、「自分でできた」「自分で過ごせている」という感覚を育ててくれます。この積み重ねは自立を助けてくれると感じています。


それぞれの特性に合わせた設定

上記のような設定をしていくときに「特性を考える」や「個別化の視点」や「アセスメントから始めること」を重視しています。

デイジーには様々な特性をもった利用者が来られます。
同じ診断を受けていても1人ひとりの状態は違っています。

そうすると情報の伝え方も1人ひとりの特性に合わせた設定をしていく必要があります。

デイジーではまずはアセスメントを行い利用者の特性に合わせて1人ひとり先ほどご紹介したスケジュールなどの設定を行っていきます。

例えば「文字は理解が難しいけど、絵や写真は理解が得意」という利用者がいたとします。
その利用者へは「絵や写真」を活用して1日の見通しや活動内容を伝えると分かりやすいと思います。

「字義通りにとりやすい」という特性がある場合は「字義通りにとっても問題のない伝え方をする」や「抽象的な表現は使わず具体的な情報で伝える」といった設定が理解しやすいかもしれません。

理解のアセスメントの情報をまとめるシート。
※水野敦之先生のHPからダウンロードできます。詳しい内容が気になられた方は水野先生のHPをご参考ください。
※許可を得て掲載してます。
それぞれの特性に合わせた設定をしていくためには情報を整理していく作業が必要です。
デイジーでは水野敦之先生の作成された「特性シート」「個人情報シート」「構造化支援シート」「生活支援シート」で整理をします。各シート水野先生のHPよりダウンロード可能です。詳しい内容が気になった方は水野先生のHPや書籍「「気づき」と「できる」から始めるフレームワークを活用した自閉症支援」「生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック」水野敦之著 をご参考ください。※許可を得て掲載しています。

まとめますと「アセスメントから始めて」「特性に合わせて」「1人ひとりに合わせた(個別化された)」設定を、「自立的な活動を広げていくため」にしていきます。

おわりに

今回は利用者が自立的に活動を進めることについて簡単にお話しさせていただきました。

1人ひとりの特性に合わせた設定をしていくと自立的に活動ができている幅の広がりをよく感じます。
これからも継続したアセスメントを続け、利用者1人ひとりが自立的に活動できる経験が積めるよう設定を整えていけたらと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

投稿者:長崎祐太


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