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腰に自信が持てた。~母の気功体験談~

一義流気功 伊深気療院セラピストです。現在見習い中のため、営業はまだしておりません。今日は私の気功を受けてくれた母の体験談を書きます。一義流気功を使った治療過程について知りたい方にも、参考にしていただけるとうれしいです。
(この記事は体験した人の許可を得て掲載しています)

主訴

60代の母は腰が痛くて困っていました。一番痛かったのは昨年の冬ごろで、痛みに加えてしびれも出てきたので整体に行ったりしていたそうです。
今年になって整体に行くほどではなくなったけれど、
・朝起きると痛い
・重いものを持つなど、腰に負担をかけると悪化する
・動かす前に「ひやっと」する​
などで困っていたそうです。

このころ私は身体気功を受けてくれるクライアントさんを募集中でした。母に頼んで「腰痛に気功でアプローチしたらどれくらいで良くなるか」を試してもらうことにしました。結果は「1カ月ほどかけて、3回の気功で腰に自信が持てるようになった」そうです。
3回の気功と、その前後の経過をご紹介します。

一回目(60分)

1・最初は一義流気功メニュー「脳脊髄液に気を乗せる」でリラックスしてもらいました。(20分)
2・次にアナトミー・トレイン理論を参考に「ディープ・フロントライン」全体をゆるめました。(20分)
3・そしてその後、「スーパーフィシャル・バックライン」をゆるめました。(20分)
4・最後に、腰の痛い箇所自体と足の裏をゆるめました。(20分)
(足の裏は「腰痛と連動するかのように痛む」と母から聞いたので)

3と4はアナトミー・トレイン理論に属する概念です。
筋肉は結合組織である筋膜でつながっています。筋膜でつながっている範囲は日常の動作においても連動していると考えられています。アナトミー・トレイン理論は筋膜連結を11種類のラインに分けたものです。
このとき気功でアプローチしたラインは以下の2種です。

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アナトミー・トレイン理論を使う理由は、限られた時間で効率よく筋肉をゆるめるためです。気功で筋肉をゆるめるには多くのエネルギーを費やします。一つ一つやっているととても時間がかかるため、関連が大きい(と思われる)ラインを選んでやってみました。

一回目の気功の結果

後日母へヒアリングしたところ、
気功の直後はお通じがすごく出た!
翌日からは動きやすくなり、体が軽くなった。
とのことでした。
ところがこのあと、
動きやすくなったためにさらに動いて腰に負担がかかり、痛みが出てしまう
ということがあったそうです。

「動きやすくなった」「お通じがあった」ことの理由は、おそらく「ディープ・フロントライン」がゆるんだことです。「ディープ・フロントライン」には深層の筋肉(インナー・マッスル)が含まれています。この時は「ディープ・フロントライン」をゆるめることに重点を置き、そこに時間を多く使いました。
その結果、体の深部の筋肉のゆるんだ度合いに比べて、浅い部分の筋肉のゆるんだ度合いが小さいということが起こったんだとと思います。そのせいで、腰の痛い場所自体があまりゆるんでいないのに動かして痛くなってしまったようです。反省を踏まえて、その一週間後に2回目の気功にチャレンジしました。

二回目(40分)

この日に使ったのは「トリガー・ポイント」理論です。
「トリガー・ポイント」とは、その場所の痛みだけでなく離れたところにある筋肉や関節に痛みを引き起こす筋硬結のことです。
腰のトリガーポイントに関する筋肉を約5分ずつ、足の裏のトリガーポイントに関する筋肉に約5分くらいずつ「筋肉をゆるめる」気功をしました。

(腰のトリガーポイントに関する筋肉)
脊柱起立筋(5分)腸腰筋(5分)腰方形筋(5分)
腹直筋(5分)広背筋(5分)中殿筋(5分)

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(足裏のトリガーポイントに関する筋肉)
腓腹筋(5分)長母指屈筋+長趾伸筋(5分)

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二回目の気功の結果

気功直後はこのようだったそうです。
足の裏が温かくなり、
太ももは筋肉痛のようにだるくなった
腰は痛みが減った
そして今回もまたすばらしくお通じがあった

翌日以降には、こんな風になりました。
腰と足裏は前より良くなった
動かしているとまた痛くなったりする。
でも今までと違い、痛みがひどくなりすぎずに治る。

お通じや、直後に足裏が温かくなったり太ももがだるくなったりしたことは気功の「好転反応」と言うべきものと思います。気功で筋肉をゆるめることは、痛みや硬直を取るきっかけを与えているようなものです。気功が終わったあとにその場所を修復するための反応が起きているということだと思います。

三回目(40分)

二回目の気功から2週間後。
三回目は肩関節の痛みへの気功も含めて行いました。
以下のアナトミートレイン、または筋肉を順にゆるめていきました。

(肩に関するアナトミートレイン)
スーパーフィシャル・フロントアームライン
スーパーフィシャル・バックアームライン
ディープ・フロントアームライン
ディープ・バックアームライン

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(腰と腹部に関する筋肉)
腹横筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腸腰筋・広背筋

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また、この時は痛い場所の心の毒を抜く気功も少ししました。
お腹の筋肉も緩めたのは、腰を動かす時に背中側の筋肉と対になっているからです。ある筋肉を動かすときに反対の動きをする筋肉を拮抗筋と言います。母の腰痛の原因に腰の筋肉と対になって動く拮抗筋の硬直も関わっているかもしれないと考えました。

三回目の気功の結果

今回は直後にお通じはなく、その夜にお腹と背中あたりにじんま疹が出たそうです。

母は身体気功の後に、よく好転反応が起きる人のようです。
「好転反応」をもっとわかりやすく言うと「毒出し」です。「冷えとり健康法」ではよくこのような言い方をします。
筋肉がゆるむことによって、その場所が温かくなったり気の流れがよくなったりします。そのようにしていわば「元気になった場所」では、「体の中にある要らないもの(毒)を外に出そう」という働きが強くなります。

そしてそれからまた2週間くらい後にヒアリングしてみました。すると、
重いものを持ったりすると腰が痛くなるけれど、
寝て起きると良くなっていて、
前みたいにどんどん痛みが蓄積するということがなくなった。
前はいつも腰痛に怯えているような感じだったけど、
今は腰に自信が持てるようになった。
ということでした。

ここまでが母の体験談です。

振り返り

途中、好転反応で大変なこともあり、それに対する事前の説明が不足していたところもありました。またこうやって振り返ってみると、気功をする順序を変えた方が良いところもあるようです。母が詳しくフィードバックをくれたり不明な点があったら質問してくれたりと、とにかく協力的だったので、気功見習いの立場にはすごく勉強になりました。

他の一義流気功のセラピストはアナトミー・トレインやトリガーポイントの理論は使っていないかもしれません(使っている方もいるかもしれません)。この二つの理論を使うのは私の裁量です。未熟な例ですが、これからうちで身体気功を受けようと考えている方に参考にしていただければ幸いです。

参考資料

イラストはイラストACさんでお借りしました。


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