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【交流分析の基礎知識①】5つの自我状態

参考資料 「セラピューティックTA(交流分析)」ふくちみずほ著

5つの自我状態とは

人間の自我は、その人の年齢や経験、家族関係や社会状況によって複雑に変化しながら作られます。交流分析ではエネルギーが分配される領域を次の5つに分けて考えます。

CP(支配的な親の自我状態)
NP(養育的な親の自我状態)
A  (大人の自我状態)
FC(自由な子どもの自我状態)
AC(順応した子どもの自我状態)

5つの自我状態

これらの「5つの自我」は誰でも持っているものです。どの自我が強くてどの自我が弱いかは、人によって違います。また同じ人でも場面によって、あるいは時期によってもどの自我が強く出てくるか変わってきます。

しずく(緑×ピンク)

CP(支配的な親の自我状態)

3~6歳ごろまでに、親や周囲の人からの影響によって形成されます。

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〔CPの長所〕
ルールを守る。自分に厳しい。責任感・義務感が強い。
〔CPの短所〕
厳しすぎる。ルールに縛られすぎる。口うるさい。責任感・義務感が強すぎる。偏見的・圧力をかける。

しずく(緑×ピンク)

NP(養育的な親の自我状態)

3~6歳ごろまでに、親や周囲の人からの影響によって形成されます。

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〔NPの長所〕
優しい。気配りをする。助ける。世話をする。思いやりがある。許す。
〔NPの短所〕
過保護。過干渉。甘やかしすぎ・助けすぎ。相手を自立させられない。おせっかい。疑う・心配する。

しずく(緑×ピンク)

A(大人の自我状態)

自ら冷静に考え結論を出すことによって、6歳~9歳以降ずっと形成され続ける。

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〔Aの長所〕
冷静・客観。事実を分析する。計画する・考える・気づく。アイデアを練る。選択する。判断する。決定する。
〔Aの短所〕
(Aだけでエネルギーを活用した場合)
人間的な思いやりのなさ。

しずく(緑×ピンク)

FC(自由な子どもの自我状態)

0~3歳ごろまでに、周囲の雰囲気を察したり感じ取ったりして形成される。

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〔FCの長所〕
明るい。元気。好奇心が強い。自由・無邪気・楽しもうとする。オープン・フレンドリー。自分が好き。
〔FCの短所〕
わがまま・いい加減。思いつき。継続できない。自分勝手。快楽に流される。

しずく(緑×ピンク)

AC(順応した子どもの自我状態)

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〔ACの長所〕
協調性が高い。人に従う。控えめ・我慢する。周囲に合わせる。人を信頼する。
〔ACの短所〕
依頼心が強い。我慢しすぎる。閉じこもる。ノーと言えない。相手の顔色をうかがう。

5つの自我状態のエネルギーの特徴

それぞれのエネルギーの表現方法には特徴があります。どのエネルギーを中心に使うかによって、ふるまい方も変わってきます。

しずく

「○○しなくては!」(CPが高い人)

CPが高い人

堂々とした態度で、はっきりとした強い口調になります。

〔CPが高い人の言葉遣い〕
「~しなくては」「~はよくない」「それはだめ」「やりなさい(やめなさい)」「(ちゃんと)しなさい」「普通は○○だ」「まじめにやりなさい」「しっかりしなさい」

しずく

「○○してあげたい」(NPが高い人)

NPが高い人

明るく穏やかな口調で、優しくにこやかな表情になります。

〔NPが高い人の言葉遣い〕
「大丈夫?」「それは大変」「できるよ!」「がんばって!」「心配ね…」「困ったわね…」

しずく

「どうすればうまくいくかな」(Aが高い人)

Aが高い人

ちょうどよいスピード・音量で話し、リラックスした穏やかな表情になります。

〔Aが高い人の言葉遣い〕 「4W1H」(※)で情報収集します。
「それはいつでしょうか?」「どこでしょうか?」「誰でしょうか?」「何でしょうか」「どれくらい(どのよう)でしょうか」

(※)4W1H… When, Where, Who, What, How の4つの疑問詞。
        Why(なぜ?)は使わない。

しずく

「わぁ、すてき!」「えーっ!」(FCが高い人)

FCが高い人

明るく大きい声で、変化に富んだ表情・エネルギーにあふれる様子になります。

〔FCが高い人の言葉遣い〕
「え?すごい!」「わあ、素敵!」「ほんと?うそみたい!」「いいな!欲しいな!」「えーっ、嫌だ!」「無理ー、できない、難しいー!」「やりたくないな」「めんどうだな」「つまらない」「さびしい」

しずく

「すみません」「えっと、あの…」(ACが高い人)

ACが高い人

小さめの声で途切れるような話し方、遠慮がちな態度になります。

〔ACが高い人の言葉遣い〕
「すみません、ごめんなさい」「えっと、あの…」「えっと、でも…」「はい…申し訳ありません」「はい…ですが…」「はい、わからなくて…」

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