4.片肺あるある7選

 こんばんは、片肺のがんサバイバーminoriです。
 5回目となりました。今回は片肺になった後どう生活が変化したのかについてのお話です。

<前回までのあらすじ>
 手術内容が変更になっていたことも知らぬまま、左肺の全摘術を行った私。術後のえも言えぬ苦しさを乗り越えリハビリも終わらせた私は、無事退院し次の診察日を待つのであった。


摘出手術 
 ↓  ←【今回のお話】
シスプラチンによる抗がん剤治療(途中でギブ)
 ↓
経過観察
 ↓
右肺に転移、レットヴィモの服用を始める ←(現在の状況)


1.退院後の生活

 時は2020年8月。無事退院した私は、世界は何て美しいのかしらなんて思いながら自宅へと向かいました。
 
 退院後の生活ですが、職場には復帰せず変わらず休職してました。
 抗がん剤治療が始まるまでの間は通院しながらの自宅療養です。日常生活を送りながら、自分の身体がどう変化したのか観察してました。
 今回はそのとき気づいたことをあるある形式で紹介したいと思います。

【片肺あるある】①手術した場所がどす黒い

 初っ端から片肺とあまり関係ないですね。
 そりゃあ身体の一部を摘出したのだから内出血でどす黒くもなります。

 正確には黒いというより紫でしたね。
 それも結構広範囲で、左胸部は勿論、先端までもが痛々しい色で覆われていました。「RPGのモンスターみたい」なんてくだらないことを考えた思い出が……。

 ちなみにこの内出血は大体二、三週間で引いていきました。今は当然元の肌色に戻っております。 
 完全に残ってしまったのは脇の下の手術痕ですが、お医者さんの腕が良かったのか割と目立たないです。うっすら灰色の線が見えるくらいですね。

【片肺あるある】➁深呼吸が出来ない

 空気を溜めておける容量が物理的に半分になったので、深呼吸も以前の半分ほどしか出来ません。
 前まで「すぅーーーー、はぁーーーー」だったところ、今では「すっ……、はぁーー……」といった感じです。限界が早い。妙な燃費の悪さを感じます。

 昨年の2022年秋頃、診断書を作成する際に行った肺活量・努力性肺活量の検査では、数値が両肺あった頃のキレイに半分になってました。「あ、本当に半分ないんだ」と少し驚きました。ちょっとは右肺が大きくなってないかな、なんて考えてたので。

 

【片肺あるある】➂階段が辛い

 下りはいいけど上りが辛い。とりわけ上りきったあとが辛いです。息切れがとても激しい。

 原理は前項と同じです。可能な限りエスカレーターやエレベーターを使っているのですが、ご年配の方や明らかに体の不自由な方が使っていると肩身が狭いというどうでもいい悩みが。
 あと、いい運動になるのでなるべく階段を使いたいという非常に贅沢な悩みもあります。

【片肺あるある】④歩行しながらの会話が困難

 階段は明らかに息切れが激しいですが、歩行はペースがゆったりであれば息切れも少ないです。それでも息が切れるのは通常よりも早いですけどね。

 問題は誰かと話をしながら歩いたとき。歩くので精いっぱいで、途中から声が出なくなります。
 歩くのも話すのも、思えば同じ肺を使ってるんですよね。誰かと話すときはなるべく肺のシングルタスクを心がけて聞き役に回ってます。


【片肺あるある】⑤食事のスピードが遅い

 結果的に抗がん剤治療もやってるし新薬も服用してるから、その影響で胃も小さくなったんじゃ……などと考えましたがやっぱり違うような気がします。

 私はもともと食べるのが早いタイプだったのですが、術後は食べるのが遅くなりました。これに気づいたのが退院直後だったので、恐らく左肺を取ったからじゃないかと思っているのですが、どうなんでしょ?

 意外なところで肺を使っていたのかもしれませんね。憶測の域を出ない話ではありますが。


【片肺あるある】⑥身体を捻ると咳き込む

 これは左肺を取ったからなのか気管支周りの腫瘍を取ったからなのかわかりませんが、摘出した方とは反対の側に身体を捻ると咳き込みます。我慢しようにも出てしまいます。

 少し話は変わりますが、結局現在もちょっとした拍子で空咳が出てしまいます。酷い時は一言二言ごとにケホケホと咳が……。最近はこれで調子の良し悪しが占えるようになりました。

 それにしても時期が悪いですねこの咳。2020年からですよ。やんなっちゃう。

【片肺あるある】⑦胸から水の音がする

 これは本当に驚きました。

 ある日のことです。うつ伏せの姿勢から起き上がろうとすると、どこからか音が聞こえてきました。
 ちゃぽん……
 あまりに小さな音だったので遠くからの音だと思い、私はひとまず無視しました。
 が、その後も事あるごとに音が聞こえてきます。ようやく自分の身体から鳴っていることに気づいた私は漠然と思うのでした。
 ……もしかして、肺を取ったところから鳴ってる?

 担当医に尋ねると、案の定そうでした。
 曰く、取ったところを埋めようと身体がそこに水分を溜めているのだそうです。最終的には固まるのだとか。へえ面白い。人体って不思議。

 レントゲンの検査は術後も何回も行われたので、水が満タンになっていく様子と綺麗な水平の影を眺めるのが楽しかったですね。

 もちろん今は完全に固まって、水の音はしなくなりました。
 本当にあの一瞬だけでしたね。ちょっと寂しい。



 以上、片肺あるある7選でした。
 他にも「走った後のおつりがすごい」などがありますが今回は割愛。もはや片肺に限った話なのかどうかわからなくなりました。

 あと、自分の身体のことなのにわからないことだらけだなぁ、と書いてて感じました。
 折角なのでもうちょっと医学知識が欲しいですね。
 はたらく細胞とか観た方がいいのかしら?(未視聴なもので)

 それでは今回はこの辺で。

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