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チーム学習:3本の柱

チーム学習は3つの柱で成り立っています。

志の育成
・複雑性の理解
・共創的な会話


3つの柱はバランスがとれていないと家は傾いてしまいます。
3本柱の中身を見ていきましょう。

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1.「志の育成」

「志を育む力」は、自らを主体的に動かす力です。
個人、チーム、組織が、自分たちが本当に望むことを認知して、その望むことに向かって主体的に選択して変わっていく能力のことです。
自らのありたい姿を想定して、その実現に向けて一生涯に渡る研鑽を続ける「自己マスタリー」を高め、組織で「共有ビジョン」をネットワークして、内発的な動機にあふれた個人が「想い」を共有する集団を創り出します。

自己マスタリーとは自己をマスターするという意味です。危機感や脅威を避けるために自らが創作したことに自分の基盤を置くことから出発します。

「志の育成」の柱では、
自己マスタリー
共有ビジョン

が支えになります。

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2.複雑性の理解

「複雑性の理解」とは、自分自身の理解と他者の理解を重ね合わせて、さまざまな縁起(因果律)で生起する構造(システム)の全体像とその作用を意識し、理解する能力です。
仏教(密教)では理解しやすくするために「曼荼羅」でビジュアル化しました。

さまざまなステークホルダー(利害関係者)との絡みの中で、時間の経過と共に展開される広くて深い複雑性を理解する「システム思考」の修得が重要になります。

構造(システム)は誤解されやすい概念です。
私たちはわかりやすくするために「部分に分ける」ことをよくします。

たとえばマイルストーンにように、細かく分類、部分に対して対策を立てて、最適化をします。最後に部分を合計してうまくいくとはいかず、奇妙なことですが、全体としては破綻してしまうことがあります。

問題に対応することが新たな問題を発生させてしまうからです。
複雑な要素がたくさん絡んでくると自分の知り得る範囲で良かれと思ったことが新たな問題を発生させるのです。
つまり「構造(システム)」が原因で破綻するのです。

「できごと」や「行動パターン」に着目できても、その土台になっている「構造(システム)」を発見できなければ、繰り返し失敗してしまうのです。

「複雑性の理解」の柱では、
システム思考
が支えになります。

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3 .共創的な会話

「共創的な会話」とは、個人、チーム、組織に根強く存在する無意識の前提を振り返り、意識しながら共に創造的に考え、話し合う能力です。

個々の人を取り巻く世界に対する認知の意識・無意識の前提が「メンタル・モデル」です。
「メンタル」とは心の問題と思われるが、行動までも「規定」します。

たとえば離婚した女性がその後男性と知り合い同居するが、児童虐待を繰り返し遂には痛ましい事件を引き起こす問題が後を断ちません。

本人は気づいていなくても同じようなタイプの男性を選んでいることは少なくありません。つまり女性が引き寄せていることを検討しなければ、いつまでも同じパターンを繰り返します。

「正解はひとつではない」ことを念頭にチームで検討することが必要です。

メンタル・モデルを意識しながら、個人のメンタル・モデルを保留して話し合うことができることが、ダイアログなどの「チーム学習」には重要な要件です。

「共創的な会話」の柱では、
メンタル・モデル
チーム学習

が支えになります。

学習する組織の3つの力は、3本の柱や椅子にたとえられます。

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