見出し画像

共有ビジョン

リーダーシップに必須とされることは「達成するイメージを共有する」ことに尽きます。

画像1

USP (ユニーク・セリング・プロポジション)をご存知だろうか?

USPは顧客と企業が共有するイメージです。
自社の強みを集約し、顧客に伝わりやすくしたものが「USP」です。


もっとも有名なUSPは世界中に知れ渡った「ドミノ・ピザ」の『熱々で美味しいピザをお宅まで30分以内にお届けします。間に合わなければ、代金はいただきません』ですね。

画像5

Fedexの『お客さまの大切なお荷物を、安全に、そして1日で確実にお届けします。』も世界的に有名です。

ユニーク→独自→特徴
セリング→売り→強み
プロポジション→提案→メリット


の構造で出来上がっています。



USPの特長は、覚えやすい言葉と行動に矛盾がなく、かならず守られることでイメージを共有できることです。

画像6

リーダーシップはUSPと似ていて「達成するイメージを共有する」ことができないリーダーは必ず失格の烙印を押されます。

菅総理が一年しか持たなかった最大の原因は、「達成するイメージを(国民と)共有できなかった」点にあり、言葉が届かなかった点に起因します。

リーダーとしての有能さと彼個人の有能さとは別次元のことなのです。

業種は違っても偉業を成し遂げた企業には、「達成するイメージの共有」が必ずあり、USPはさらに磨きをかけて鋭利にしたもので、貫く理念は同じです。

画像7

ピーター・セング氏は、「何らかの偉業を成しとげた組織で、目標や価値観や使命が組織全体に浸透していない例をあげるのはむずかしい。」とさえ言い切って、本物のビジョンを共有した企業を複数ピックアップしています。

IBMの場合には「サービス」

ポラロイドの場合は「インスタント写真

フォードは「大衆向け公共輸送手段」

アップルには「コンピューティング・パワーを大衆に」といった具合にビジョンの内容や種類、切り取り方は大きく違っても、これらの組織はどれも、共通のアイデンティティと使命感のもとに人々を結束させたと紹介しています。

これらは顧客やステークホルダーとの共有ビジョンになるUSPの種子です。逆に組織内の共有ビジョンがなかったら、USPの作ることもできないのです。

USPの定義

・広告は、消費者に対して提案(プロポジション)をしなければならない。
・その提案は、競争相手が示せない、あるいは示さないものでなければならない。それは独自(ユニーク)でなければならない。
・その提案は、数百万の人々を動かすほど強力でなければならない。

画像11

本物のビジョンがあれば、人々は学び、力を発揮します。
力が弱ければ蓄えて発揮しようとします。
つまりプラスの循環が機能するのです。
そうしろといわれるからではなく、そうしたいからです。



ところが共有するべきビジョンがない組織では逆の循環が起こり、日常的に人手不足が生じます。
人手不足を解消しようと賃金アップなど場当たり的な対策に走り、本質的な改善からますます遠のきます。

多くの経営者の場合、個人的ビジョンはあっても、それが共有ビジョンにまで仕上げる術に無関心なのです。

画像10


プロデューサー的であったアップルのスティーブ・ジョブズは、プロジェクトが動き出したら、安心してしまう経営者ではありませんでした。
現実はそこからスタートすると知っています。
あらゆる部分で不具合が生じてきて膨大な対策が必要になるからです。

そのプロセスで、チーム全体に「コンピューティング・パワーを大衆に」という共有ビジョンで繰り返し刺激し、最高をめざすのです。

スティーブ・ジョブズは、「このデバイスが世界を変えるんだ」とか「宇宙に衝撃を与えるようなものを作ろう」と言い、「週90時間、喜んで働こう!」というTシャツを着て働かせたこともありました。



画像3

それをどう思うかは人それぞれです。ピーター・セング氏は「しかしほとんどの人は、選べるならば、危機のときにかぎらずいつでも高度な目標を選ぶものなのである。」と語ります。

「欠けていたのは、個人のビジョンを共通のビジョンに変容させる訓練である。共通ビジョンをつくるのに必要なものは、お義理ではなく心からの参加と献身を育む共通の「将来像」を掘り起こす技術だ。経営者たちはこれを修得するなかで、どんなに善意であれ、ひとつのビジョンの押しつけは生産性を阻害することを学ぶ。」

これは、経営者のカリスマ、あるいは全員を一時的に一丸とする危機を展開することとは一線を画す。国や会社に頼る時代ではないからです。
「いい学校を出て、いい会社に入れば安心」という時代はすでに終わっていて、何のために生まれて生きているのかを生涯かけて自ら探し求めるものだからです。



画像9

「会社=私」「私=会社」でありながら「共有ビジョン」をリーダーに問いかけることは「私は何のために生きているのか?」と質問するのに似ています。

リーダーに必要なのは「押し付けの共有ビジョン」ではなく参加と献身を育む共通の「将来像」を掘り起こす技術です。
「生きるよろこび=働くよろこび」にして目の前に差し出すのもリーダーの仕事です。自分の場合、1日の半分は、そのために使っていました。

画像8


「ドミノピザ」のUSP『熱々で美味しいピザをお宅まで30分以内にお届けします。間に合わなければ、代金はいただきません』

そのUSPの構造はこうです。

U=ユニーク(特徴)・・・「間に合わなければ代金は頂きません」
S=セリング(強み)・・・・「30分以内でお届けします」。
P=プロポジション(メリット)・・・・「熱々でジューシーなピザ」

画像2

FedexのUSP ”お客さまの大切なお荷物を、安全に、そして1日で確実にお届けします。”

U=ユニーク(特徴)・・・・・「絶対に荷物を届ける」
S=セリング(強み)・・・・・「1日で確実に」。
P=プロポジション(メリット)・「急ぎの物を確実に手元にお届け」

USPを可能にするために、Fedexは自社で約650の飛行機を所有。

あなたを1年後、生きている実感を体感していただけます。

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?