見出し画像

朝日

今日は朝から散歩に出かけました。
日の出前の海は、少し寒かった。
空は少し赤みがさしていて、少し風の強い、波の音の大きな日でした。

びゅーざざざ…


よし!ここで朝日を見ようと思い流木に腰掛けました。


流木は太く座るとそれは、とても安定していて、とても座り心地の良い木でした。

Coccoさんの絹ずれと言う曲をBGMに聴きながら朝日が登るのを待ちました。


"この手を
握るのは
誰だろう
いつだろう
今だけ
欲しいのは
なぜだろう
いつからだろう"

人恋しくて、誰かに手を握ってほしくて、あの人に手を伸ばした。
でも、その手は他の色んな人にも向けられていて…とにかく、この手を誰かに握って欲しくて仕方なかった。

色んな物を失ってきた、この手が冷たくて冷たくて仕方なかった。

"独りで行くのは
皆 おなじだろう"

ああ、そうだよな。
最期はみんな独りなんだ。

海に朝日が登った。

私はあの人のことをずっと「月」のような人だと思っていて、あの人のことをずっと「憧れても手の届かない人」と思っていた。

いつだったか、ある人が言っていた。
「月」が消えても次は「朝日」が来るって。

それは私の中では「あの人」がいなくなっても、また「別の人」が現れるってことなんだろうなって思ってた。

でも、今日の朝日を見ても考えてるのはやっぱり「あの人」のことだった。

風は冷たく、相変わらず手は冷たいまま。

でも、私はとても自由で…
今はただ一人で、あの人のことを想っている。
他の誰の手も必要ない。

あの人から、もう永遠にこの手を握って貰えなくても、あの人がくれた「言葉」の数々が私の手の中にある。

ああ、私はやっと貴方をちゃんと好きになれました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?