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元書店員の回想

私が書店員だった頃のことを、少し書いてみようと思います。

突然、募集も出していない書店に履歴書を送り付けました。

「ちょうど募集しようと思っていた」

と、運よく雇っていただきました。

ただし「給料が安いから、一人暮らし大丈夫?」

そのころ、働いていた人はみなさまご実家ぐらし。

田舎とはいえ、家賃は高いのですが、引き下がるわけにもいかないので、

「大丈夫です!」と即答したわたし(のちのち後悔して、一人暮らし手当だせよ、と実家ぐらしの方々を敵意のまなざしで恨めしく思うようになったわけですが)。

そもそものきっかけは、その頃勤務していた会計事務所が嫌になり、本ばかり読んでいたことでした。

”現実逃避”ですね。

ストレスのせいか、サイコパスものが多かったですが。

”待遇”は良かったです。でも、いかんせん、社会情勢に疎く、新聞も読まない、筋金入りの内向的な人間が、いつまで経っても外回りなど出来るわけもない。

このままだと、パートにする、的なことを言われ、意気消沈し、やる気をなくしてしまいました(なんて根性なしな)。

そんな根性なしな人間も、書店では、同僚にどんなことを言われようが、お客様に根も葉もないクレームを言われようが、涙をこらえてがんばりました(いや、涙をながしてしまったことはあったけれど)。

本がスキだから、ですね。

本がスキなひとをスキだから、かもしれません。どんな人であっても。

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