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元書店員の回想 その2

入ってまず、任されるのは「雑誌」です。

雑誌担当者は、誰よりも早く店に行かねばなりません。

何せ一番新鮮なものですからね、お店が開くまでにはきちっと並んでないといけません。

夜型人間のわたしでしたが、朝どうにかして(どうしてたかほぼ覚えてないけれど、発売する雑誌が多い日の前夜は、実家の母にモーニングコールをお願いしていた)頑張っていました。

会計事務所では、簿記の勉強はもううんざりだ、と日商簿記2級どまりだった出来損ないでしたので、そんなことはもうしなくてもいいと思っていたのですが・・・・・・。

雑誌担当者は”当然”

「雑誌の発売日を記憶している」

もちろん、「週刊誌も記憶している」

これも当たり前だけど、「ストックがあるか把握している」

IQの低いわたしの脳みそを、フル稼働させなければならなくなったのです。

すげえ、書店員すげえ。周りの職員が、手品師のように思えました。

何でも知ってる店長は”神様”に見えました。

今のように検索できるものも無く、雑誌も書籍も手書きでファイルしてありましたし。

ゆったりと本を優雅に眺める暇などないのだなあと、甘い考えは打ち砕かれたのでした。

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