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#5 第57回日本作業療法学会(沖縄)に参加しました

こんにちは。みのりminolyです。

2023年11月10日~12日にかけて、第57回日本作業療法学会が沖縄で開催されました。

コロナウイルス流行の影響もあり、数年ぶりの現地参加となりましたが、その報告とともに、学会への参加の意義について考えてみたいと思います。


日本作業療法学会とは?


現在、日本で活躍する作業療法士の7割ほどが所属しているのが日本作業療法士協会であり、
その協会が中心となって年に1回行われる学会が日本作業療法学会です。

1967年に第1回の学会が行われてから、今回で57回目の学会でした。

全国の作業療法士が集まり、有名な先生方のセミナーや講演があるだけでなく、現場で働く作業療法士が日々の実践について発表します。


少し前になりますが、2017年の日本作業療法学会では約75%の発表者の所属が病院や施設で、約25%が大学などで働く作業療法士でした。
今もあまり変わらないかもしれません。《印象ですが。もしかしたらもっと現場の人が多いかもしれません。》

この情報は、いつも作業療法研究法という私の受け持つ講義の最初で学生に話しします。
研究なんて関係ないからと授業に興味を持たない学生がとても多いので。
大学などの研究機関ではなく、病院や施設で作業療法士として働く場合も、研究をしないといけないんだということを伝えて、自分ごとにしてもらっています。


沖縄で得られた学び


今回の学会は、沖縄コンベンションセンターで行われ、沖縄ならではの発表や情報がありました。

今回、得られた学びを3つに分けて紹介します。
《以下は、私個人が得られた学びです。もしかしたらほかのご意見があるかもしれませんが、ご容赦ください。》


小学校・学童・放課後デイでの作業療法士の活躍

小学校や学童での相談業務などをしている実践報告がたくさん発表されていました。
特に、放課後デイでは、作業療法士が直接支援するケースが増えている印象を受けました。
これまで以上に、発達症や幼児・学童期の困りごとに対する作業療法が広がていることを実感できました。

沖縄では、仲間知恵さんという作業療法士が以下のような本を書くくらい、学校での作業療法に力を入れています。
私も以前、読んでいましたが、今回、最新刊を手に入れて、サインまでしていただきました。

VR/MR/ARの活用

作業療法の治療において、VRやMR・ARの活用実践がいくつか報告されていました。
それらの機器を開発している企業の展示もいくつかありました。

私は機器展示ブースで、VRを使ったミラーセラピーの体験をしてみましたが、VR酔いしてしまいました。
別のブースで、MRの訓練機器も体験しましたが、こちらは酔うことはありませんでした。
この機器は、視線の位置が測定できるとのことで、自分の研究で使えそうな情報を手に入れることができました。

まだまだ、手探りという感じではありますが、これからどう活用されていくのか、注視したいところです。


変化した臨床実習に関する報告

臨床実習(病院や施設などでの実習)が、現在の大学4年生の世代から変わりました。
それに伴い、学生側、病院・施設側、養成校側それぞれが、どのように実習を進め方について模索している発表がたくさんありました。
この次の指定規則の改定が2025年といわれていますので、今後もまだまだ試行錯誤が続きそうです。


学会に参加するのは面白い?


私は、日本作業療法学会に参加するのを毎年楽しみにしていますし、参加してとても面白いと思っています。

しかし、ある先生から、

(日本作業療法)学会って面白いですか?

と聞かれたので、少し考えてしまいました。

大学で教えている以上、新しい知識はどんどん吸収していかなくてはいけないと思っています。
そういう意味では、日本作業療法学会は、臨床現場(病院や施設など)で働く先生方が多く、私が新しく学べる知識は限られますが、臨床現場の最新の考え方や流行を知るためには重要な場となっています。

日本作業療法学会は、ポスターを掲示して、その前に1時間ほど立って質疑応答を受けるというポスター発表形式が半分ほどを占めます。
そのため、臨床現場の先生と、直接お話することができます。
これにより、臨床現場の声を直接受け、何を教育に求めているのか、何が困っているのかなど、教育や研究に反映できる点が面白みの一つです。

臨床現場の先生方にとっても、困っていることをほかの臨床現場と共有したり、有名な先生方と知り合って直接相談したりといった意義があるのだと思います。

費用対効果を考える人もいますが、私は十分に参加する意義のある学会だと思っています。


まとめ

1. 日本作業療法学会は、病院や施設で働く多くの作業療法士が研究発表を行う場である。
2. 今回の学会では、小学校・学童・放課後デイでの作業療法士の活躍、VR/MR/ARの活用、変化した臨床実習に関する報告が多く見られた。
3. 学会参加は、今の病院や施設の考え方や流行を知るために意義がある。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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