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「土地をしっかり選べば、天変地異の大半は無効化できる(3)」

「日本は山です」。

比喩等ではなく、
「環太平洋造山帯の一部」
「海底から突き出た山頂」が日本の姿でしょう。

山脈が時間経過とともに、削り取られ・風化し・押し流され・堆積して、
今のような「山岳~平野~海岸線」に落ち着いて。

そんな自然の造作を、先祖たちは元々、ありのまま利用してきました。

しかし人口が増え(*)、産業文明の発達に伴い人口が都市部に流入し、
(*日本の総人口、江戸後期1850:約3,000~3,500万人→現代2024:約12,000万人)

太平洋戦争(~1945年)から帰還兵が戻って来て赤ちゃんブームで人口急増、国土改造・所得倍増(1970年台~)の高度経済成長…になると。

これまで住めていた平野部に
住宅用地が不足するようになりました。

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「土地がない」ゆえに人々は工夫し、
建築重機の発展も手伝って「造成」が始まりました。

「造成」、つまり山や丘陵地、沼地や時に海さえも…人の住める場所に変える行為です。

山の傾斜地なら「切土(キリド)」「盛土(モリド)」で平らにし、
家は建ちますが「階段でしか行けない」ような敷地も生まれました。(横須賀とか…多いですね)

さて、ここで。
「切土・盛土」の何が問題でしょう??

イラストを見てもらうと分かる通り、

●元々の山肌だった地盤と、
●削った土で埋め立てた部分の、

「地耐力」(物を支える力)が違う、と言うこと。

また、
切り後・盛り後の斜面を支える「コンクリート擁壁(ようへき)」は、
時間経過とともに膨らんだり、ひび割れ、崩落したりする可能性があります。
壁内から雨水を排水する水抜きも、ちゃんと機能しないと擁壁への負荷が増したりします。

特に昔に作られた擁壁で、高さ要件を違反している物や、ブロック塀製、危険な二段擁壁…などは要注意で、
「違反したなら再工事求められて→請求額数千万」と言う、悲惨を超えた事態になり得ます。「不動産投資・一発アウト」な危険度ですね。

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日本の山は「急峻(きゅうしゅん)」。
つまり「山頂から海までの距離が短い」ために、傾斜が急です。だからどれほど造成に力を費やしても、

がけ崩れや落石、山体崩落(山肌根こそぎ崩落)してしまう可能性…があるのです。

加え「水属性」でも解説しましたが、せせらぎが集まる谷、河川の集合地、周囲から流れ込む窪地などは、結局増水からの土砂崩れ…が怖い立地です。
また「真砂土(まさど。安定性が低い、水で流れる)」の崩落地盤など、注意すべき点が多いので避けたいのが傾斜地/法面(のりめん)です。

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「傾斜地」の逆である
山頂・山腹の平面部(造成ではない)、
また「台地(=日本の“骨格”)」の上に乗っている家屋はどうかと言うと、
一般的に地震に強いと言えます。

ただし必ず「地名を読み解く」ように、
また活断層の有無や罹災歴も確認しましょう。

国土地理院の地図を見れば、その土地の種別/状態、造成の有無…を色・網掛けで示してくれ、視覚的にその地域を捉えることができます。
https://maps.gsi.go.jp/#10/35.754732/140.051222/&base=std&ls=std|lcm25k_2012&blend=0&disp=11&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0&d=m

長い間、お家を保有して貸したい・住みたいならば、
物件探しに少し、上記のようなチェック項目を加えてみては如何でしょう。Tschüss

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