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インドネシアの電車に乗ったことはありますか? 【今日のライターの仕事】

インドネシアの電車に乗ったことはありますか?「インドネシア」という国について皆さんはどれくらい知っていますか?


発展途上国 インドネシア


首都・ジャカルタを中心として広がる半径50km圏内の人口は急速に増え続けている
現在では2800万人を超え、これは東京大都市圏に迫る勢い
まさに、ジャカルタ大都市圏が誕生している
そして、東京と同様に公共交通機関のめざましい発展がある
そこで重要な役割を果たしているのが
日本の中古車両の電車なのです
2000年以降に続々と海を渡った日本の中古電車
中央線や山手線がインドネシアで活躍している
インドネシア通勤鉄道(KCI)では
現在約1000両の車両が保有されている
その稼働率は90%を超えているという
さらに電車の利用者数は2013年以降急上昇している
年間輸送量は3億人を突破し
目標である1日利用者数120万人の達成も間近に迫るとか

朝のラッシュ時には12両編成の電車が
最短3分間隔でホームにやって来る
ドアが開き大勢の通勤客が乗り降りする
その光景は東京の朝の通勤風景とよく似ている
今でこそ急成長を遂げているインドネシア
しかし10年前までは悲惨な別世界だった


日本では円借款事業


日本では40年間インドネシアの鉄道支援を続けている
そのため、ジャカルタ中心部には立派な高架線がある
郊外へ延びる各線も電化・複線化が進んでいる
しかし、外見だけ立派になっても
至る所で不具合が生じていた
オペレーションが機能していなかった
その背景には形ばかりのODA
と現実ががあまりにもかけ離れていたことがあった
ODAの下請けコンサルに鉄道の専門知識がなかった
そのためプランを実行することができなかった
そのため
郊外の駅前広場は駐車場となってしまい道路は大渋滞
長距離列車の起点駅で大混雑
通勤電車の運行ができない
ホームは人が溢れ大混雑
呆れた話では
高架駅は12両対応で造りながら
車両基地は8両編成の車両にしか対応していない
プロジェクト同士でまったく整合性が取れていない

日本の中古車両導入

おそらく
日本が中古車両を導入していなかったら
現在の国鉄線の発展はなかったでしょう
ジャカルタでは
2000年代の初め頃から鉄道需要は急速に発展した
しかし使用できる車両が少ないなど悪循環に陥っていた
一方で、暮らしが豊かになり人々の生活水準が向上した
冷房が当たり前となり
非冷房車は敬遠され始めた
そこで「切り札」として導入されたのが日本の中古車両
価格は輸送費を含めても新車の10分の1ほど
待望の「冷房付車両」である

日本の中古は新品同様


日本の中古は、海外では新品同様の価値はある
高品質で新車同様の価値を持つ中古は
インドネシアにとって、願ってもない買い物だった
しかし、容易に話は進まなかった

日本側の廃車時期とインドネシア側の導入の時期
タイミングが合わなかった

日本で廃車が決まる数年前には
インドネシア側で導入を検討する必要がある

しかし、日本の鉄道の車両の置き換えを
把握することは不可能だった

そこで、パイプ役となったのが日本の留学生だった
両国に馴染みのある人々でした

民間主導で導入が始まる


中古車両の導入は、あくまで民間主導
2010年以降導入が続く
東京メトロやJR東日本の車両は
直接契約に近い形態を取っている
そのため、インドネシア側が故障した部品を
発注したいときに窓口となるところがなかった
鉄道会社としても積極的に対応していなかった
10年前と言えば、
鉄道会社自らが海外展開してゆく時代ではなかった

今でこそKCIに対する支援体制は整っている
導入当初205系の譲渡が開始された頃には
決して協力的とは言えなかった
205系ですら、一旦故障したら
車両を抜き取って10両編成を8両編成にして
使用するなどで対応していた。
支援体制の風向きが変わるのは2014年
KCIとの間で相互協力の覚書を締結してから

JR東日本社員がKCIに出向してからは
部品メーカーが次々とジャカルタを訪れるようになった
手のひらを返すような方針転換ぶりだった
KCIの地元の社員たちは、300両、400両と増えてゆく車両を
必死で守って来た
そして、ビジネスパートナーとして認められるよう
努力していた
JR東日本がジャカルタの通勤輸送サービスを
一気に向上させたのは事実かもしれないけど
KCIの努力も蔑ろにはできない
支援体制が構築されたことで
ODAプロジェクトとして導入された車両がすべて廃車された
皮肉なことに
それよりも古い中古車両がまだまだ現役で活躍している。
さらに、1000両もの中古車両の存在は
部品供給をはじめとした
新たなビジネスチャンスを生み出した
車両を安く売り、メンテナンスで稼ぐ
鉄道ビジネスのスタイルが確立された
ようやく日の目を見た中古車両


しかし、今危機的状況にあると言われる
インドネシア政府が、2020年以降の
中古車両輸入禁止を掲げて来た
どうやら、自国での新型車両設計を考えているらしい
しかし、国営車両の信頼性は低い
今後の展開は不透明である

東京では今後も大規模な車両更新は続き
一部の鉄道会社がインドネシアに
車両を売り込んでいるのも事実
でも、以前のように大量購入は難しい

中古では満足出来ない時代


インドネシアに限らず
世界的にも日本の中古車両の市場は厳しい
もはや発展途上国とはいえ
中古車では満足しない時代が到来している
しかし新車を購入することは価格面で到底難しい
そのため購入自体が減少するという悪循環が起きる
中古車両のマーケティングで大事なことは
既存の車両を少しでも長く使ってもらうこと
延命を証明して信頼を得ること
日本の中古車は信頼性が高い新車同様の価値がある
ことを実証しなければならない
政府レベルで認識してもらう必要がある
「新古品輸出」という新たなビジネスチャンス
確立されることを期待している

いかがでしたか?

今日のお仕事、ニュース原稿からのまとめ記事でした

インドネシアの鉄道事情に関して勉強出来ました