1月11日サブゼミCA【新型コロナウイルスワクチンは危険なのか?導入するべきだったのか?】


記事

新型コロナワクチンに対する評価は、非常に多様である。ワクチンに対して、肯定的な意見もあれば、政府の対応を否定する意見、ワクチンの安全性を疑問視する声、そして、ワクチンそのものが「非常に」危険とするような、いわゆる「陰謀論」と呼ばれる意見もある。
陰謀論と一口に言っても、海外の論文を引用したものから、スピリチュアル・霊的なものと結びつけたもの、5Gやマイクロチップなどと結びつけたものまで多種多様である。陰謀論の定義の設定は困難であるし、そもそも陰謀論は否定的な意味合いで使われるため、実社会では基本的に受け入れられ難い。
テレビ、新聞といった(週刊誌を除く) 伝統的なメディアでは、そういった「陰謀論」が真面目に議論されることは少ないと言える。むしろ彼らを問題視する意見の方がメインストリームである。対して、ソーシャルメディア上ではそういった陰謀論が市民権を得ているコミュニティが数多く存在する。例えば、11/20日に配信された、Yahoo!ニュース「最新型コロナワクチン、米成人の接種率は15%未満」という記事のコメント欄では、ワクチンやマスクに対して、「風邪である」「効果は全くない」「スパイク蛋白」「情弱」「アメリカ」「利益」といったキーワード・意見を含むコメントが広く支持を集めている。このコメント欄のみを閲覧すると、どうやらワクチンは危険であるようだ、といった印象を持つ。

そこで今回は「新型コロナウイルスワクチンは危険なのか?導入するべきだったのか?」というテーマのもと、議論を行いたい。立論者が「新型コロナウイルスワクチンは危険であり、政策として導入するべきではなかった」という立場をとるため、参加者は「新型コロナウイルスワクチンは安全である、政策として導入するべきであった」という立場で議論を行う。

【前提条件】
今回は「新型コロナウイルスワクチン」に関する議論のみを行う。なお、新型コロナウイルスのワクチンに関する細かい定義は設けない(例えば、特定の変異株に対するものではなく、新型コロナウイルスワクチン全体の議論)その他のワクチンや、やや結びつきやすい議論であるマスク・ロックダウンの是非等については射程に含めない。

【前提質問】
・反論側の立場について
→「安全性」と「政策として導入すべき」は切り分けて考えてOK
・どの時期のワクチンを対象とするか?
→特に定めてはない。ピンポイントな指摘でもOK


意見・論点

Ⅰ接種のリスク
1副作用による死亡
令和5年7月30日までに、ワクチンを接種後に亡くなった人数は1878件にものぼる。これは、「ワクチンによって亡くなった」という、因果関係を裏付けるデータではない。しかし、1878件のうち、1866件は情報不足によって「評価ができない」というものである。これは実に、全体の99.3%である。つまり、現状ワクチンと死亡に関する原因究明がなされておらず、安全性が確保されているとは言えない。

→インフルエンザでも死亡例がある。コロナワクチンの方が接種後の死亡リスクは2倍高いが、それでも極めて低い割合であり、問題視するレベルではない。
また、接種と死亡の因果関係は明らかではないため、接種によって死亡リスクが低下する方を重視するべきではないか。

→因果関係を追求する調査が進んでいないことが問題。「評価が出来ない」の99.3%が大きな問題であり、これへの対応はもう少し前向きに行われるべき。

2副作用の重さ
ワクチン接種後の発熱、倦怠感、痛み、頭痛などの症状は副作用として多く現れることが報告されている。特に、2回目接種後では、35%ほどの割合で発熱が確認されている。特に若者世代においては、コロナの重症化リスクが少ない若年層にとって、1-2日の発熱によるダウンは大きい。

→若者にとってワクチン接種はお守り要素(儀礼的)。積極的に行動するための安心材料にもなり、結果、経済活動の活発化にも繋がっている。
→儀礼的な側面が、人々の分断に繋がっている。(接種した人は出来るが、接種した人は出来ない状態。接種するか否かは個人に任せる。個人は尊重されていない。)
→コロナ流行2020、ワクチン導入2021
重症化が進む世の中において、接種料金も国負担で無償で受けられるようになっていたため、「制度化」されていたと考えらえるのではないか。(ゆえに個人の尊重はなされているといえるのでは)

Ⅱ効果
1期待したほどの効果が得られていない
当初は「感染予防のためのワクチン」や、「集団免疫を獲得し、感染を抑える最終手段」といったようなイメージで政策を打ち出していたものの、ワクチン接種による効果に懐疑的になるにつれて、「感染防止というよりは、重症化防止がメイン」といったように変化した。

→ワクチンの接種回数と感染の割合
33%→20%→15%と接種回数に伴い感染割合が低下するというデータがあるが?

→そのようなデータはいくらでも出てくるし、その逆を示すデータも出てくる。

2 22歳以下に限っては、ワクチン接種によって感染リスクが二倍に上昇する逆相関が見られたというデータもある。相関係数は0.98と非常に強く、一概に効果があるとは言えない

Ⅲ保障・対応
厚生労働省による不誠実な対応がある。コロナワクチンQ&Aでは、「不正出血や月経不順が起こらない」としていたものを一転し、「わずかな影響があるもののすぐに元に戻る」とした。これらの影響を「デマ」と断定していただけに、信頼は失墜したと言える。

→状況変化が常に生じる中で、言っていることが変わることは、不誠実というよりも誠実ではないか?
→2つの問題あり
➀発信力の低さ(しれっと言っていることを変えるなど)②安全性が確定していない段階での「デマ」との決めつけは科学的ではない
→言っていることが変わるのは、科学的問題というより政治的問題であるため、ある程度仕方がない
→もう少し良い対応ができたのではないか?以前に起きた薬害も、政治の影響による被害が生じていた。
「ワクチンは正義だ」という風潮は、科学的な視点から見て本当に正しかったのかに疑問が残る。政治的な都合による、いいところをみせるための策ではないか。科学と政治の付き合い方に課題があると考えている。

※予防接種健康被害救済制度
因果関係を否定できない限り給付できるという制度。

===その他===
NY州の裁判
「コロナワクチンは、ワクチンではない」という判決が出た(ワクチン反対派)


予想される反論・再反論

ワクチンの接種の効果によって高齢者の死亡率が大幅に下がったというデータがある。それについてはどのように考えるか。
→京大iPS細胞研究所の浜崎洋子教授(免疫学)によれば、高齢者には免疫反応にストップをかける傾向があるという。


参考文献・URL


先生からのコメント

政策科学の立場から、ワクチン政策として考えた場合:
日本はリスクや実現可能性についての議論からスタートした。一方で、イギリスは、マクロ的視点(どれだけコロナが減らせるか)からの考えの下、ワクチン製造に積極的に取り組んだ。
スポーツの一面をとっても、日本は無観客試合での実施、海外では有観客試合での実施の状態は、国際政治的に負けと言わざるを得ない。
徹底的に科学的視点から説明する姿勢は足りないと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?