【ネタバレあり】初心者DMがD&D5e デラックスボックスセット「アイススパイア山の竜」をどう回したかのメモ
この記事について
この記事は、私がD&D5e デラックスボックスセット「アイススパイア山の竜」のDMを行った際、シナリオの内容をどうアレンジしたかのメモです。対象は1~2レベルのシナリオと、噂話で発生するシナリオのうち2つです。
ネタバレに関する注意
記事の都合上、「アイススパイア山の竜」に関するネタバレを含みます。ネタバレを踏みたくない方は回れ右してください。
この記事を書いた理由
私は長らくD&Dを遊んできましたが、プレイヤーをやることが大半でした。ビギナーズボックスとデラックスボックスが発売されたことをきっかけに、私も5eのマスターをやってみることになりました。
ビギナーズボックスのシナリオ(竜たちの島ストームレック)は非常によくできており、シナリオの記載通り回せば問題ありませんでした。細かい判定や状況説明がしっかりされており、DMが迷う箇所はほとんどなかったかなと思います。
一方、デラックスボックスのシナリオ(アイススパイア山の竜)は、シナリオのボリュームはあるものの、個々のシナリオの記述はあっさりしており、またシナリオの記載通りに回すとバランスが崩壊している場面が散見されました。そのため簡単には回せないなぁとしばらく放置していたのですが、今年のGWに重い腰を上げて、回せるよう自分なりに工夫したり、割り切ったりすることにしました。
同じような感じで困っている人もいると思うので、私と同じようなDM初心者に向けたシナリオの回し方メモを残しておくことは、価値があるかもなぁと思って書いてみた次第です。
戦闘バランスの調整
公式シナリオの戦闘バランスは結構雑だなーと思ってます。私はDMG p81「戦闘遭遇の作成」に記載されている遭遇難易度の指針で、全遭遇の難易度を計算し、PCの人数などを考慮して調整するようにしています。モンスターの脅威度は正直あまりあてにならないところもあるようですが、実際に戦闘をシミュレーションして難易度調整するのは面倒くさすぎる。ですので私は遭遇難易度を計算する簡単なExcelシートを作ってバランスを調整しました。公式の基準に従ってるということが安心感につながるので…。
参加するプレイヤーの練度にもよると思うけど、難易度は困難~死地くらいでも大丈夫かな?という感覚。ただ1~2レベルは結構死ぬので慎重に。敵の数はだいたい決めておいて、当日の遭遇の様子を見て増減する(増援を出すなど)と良いと思います。
ちなみにバランス調整については、難易度超あまあまにすることを推奨する派閥もあるようですが、それだと絶対つまらなくなる。ある程度ピーキーに寄せたほうが面白いだろ、という派閥です。
各ミッションの回しかたメモ
ここからは、デラックスボックスセット「アイススパイア山の竜」の各シナリオ毎に、どういう点を考慮したかを記載していきます。
ドラゴンのワンダリング
低レベルでドラゴンに遭遇したら死にます。自分は「どうせ遭遇せんやろ」の精神でワンダリングのダイスを振りました。その方が面白いからです。もし遭遇したら、ドラゴンの受動知覚に対して集団隠密させ、見つかったらシナリオに記載の通り誰か一人を殺して巣に持ち帰る感じにしようと思ってました。死んだPCはすぐ二号さんに交代。
予防線として、最初からそう言う感じで回すよ?と宣言しておきました。OKしてくれる面子でなければ気を付けたほうが良いかもしれないです。
町長の依頼(1~2レベル)
怒りの丘
怒りの丘はシナリオにも「戦ったら死ぬ」と書いてあるので、交渉を促す方向で回すと思います。ただ、どう回すかの詳細がなんにも書いてない。私は 自然や魔法学判定に成功したら、マンティコアが標準語で会話できること、マンティコアの脅威度を伝えるようにしました。
ノーメンガード
ノーメンガードは、シナリオの記載通り回せば困らないかなと思います。私が実際に回したときは、G8の部屋で樽をしらみつぶしに調べられたので、ミミックとその場で戦闘させましたが、普通はシナリオ記載通りの流れでいいかなと思います。
ただノーメンガードは2LVのPCには簡単すぎます。ですので1LVのPCがノーメンガードに挑むように誘導しました。
ドワーフの発掘現場
シナリオは2レベル推奨となっていますが、町長からは1レベル時点でミッションが提示されます。1レベルのPCでは普通に全滅しそうです。シナリオ上、ドワーフが「オーカー・ジェリー」のことを話す流れになっているので、その際に「オーカー・ジェリー」が複数体おり、1レベルPCでは厳しいと思うと伝え、別所でレベルを上げるよう促しました。最初から、LV2になるまでこのシナリオを掲示板に掲示しない、というやり方でもいいと思います。(私はPCの自由度があって面白いかな?と思ってこのやり方にしました。)
E11の罠を踏むとLV2のPCは死にます(コンプデスは固定値ダメージにすれば回避できます)。その直後にオークの襲来を発生させると詰む気がします。ただ罠のダメージを減らすのはつまらないので、以下のような感じでPC側のリソースを調整することにしました。
E11で瓦礫を除去するのは時間がかかるので、ここで大休憩を取らせる
PCが罠にかかった場合、小休憩後にオークを襲来させる
この場合、オーク襲来の難易度が低すぎる可能性があるかなと思ったので、様子を見て余裕そうなら追加で2~3体増援を出す感じにしました。実際回したときは余裕があったので3体追加したかな。
噂話で発生するミッション
噂話で発生するミッションは、発生するレベル帯が決まってません。しかし適正レベルで回さないと正直面白くない。PCのレベル帯に合わせて敵の内容を調整するのも大変。なので、噂話はランダムで発生させるのではなく、自分でタイミングをコントロールしました。私が回したのは「嵐の砦」と「ザウラスの社」ですが、どちらも3レベルになった時点で噂話を伝えました。
嵐の砦
基本的には書いてある通り回せば大丈夫です。T7の戦闘はモースコだけでは遭遇難易度が低いのでオークを2体程度追加しました。ライトニング・ボルト1発くらい当てても、3LVなら大丈夫です。
あとハーピーのセーブに全員失敗すると詰みます。私は当日に気づいてあわてて毎ターン終了時にセーブを振れることにしましたが、ちょっと甘い裁定だったかなとも思ってます。
ザウラスの社
TRPGで初見殺しするなよ…と思って回さないつもりだったんですが、シチュエーションとしては面白そうだったので、アレンジしました。
まず、ザウラスの社に舐めプして全滅したパーティの生き残りを出して、見張りに見つかったら死ぬという情報と、オークの大まかな人数を教えました。
ファインドファミリアやドルイドのワイルドシェイプがあれば、建物の外側の地形は全てわかります。オークたちはS2左上・S9・S7の3か所に分散配置しました。この位置に配置しておくと、まずS2とS9は建物が死角になり、お互いを視認できない。見張りからS9も遠いし死角なので、夜間なら視認できない。オークの人数情報から、室内にもオークがいることがわかるはず。この情報を元に、S9にサイレンスをかけてS9を急襲して各個撃破する作戦が立案可能。
このような作戦で攻略可能な状況にしておきつつ、実際の作戦立案はPCに委ねました。作戦が思いつかなかったら、技能判定をさせて上記の作戦に至らせようかと思っていましたが、まったく別の作戦を立案してくれました。DMとしては、なかなか楽しかった。
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