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コミュラボ第32回オフ会 若宮和男さんと語る 「アート思考とコミュニティ」

昨年話題になった若宮さんのこちらの記事。自分でも日頃気になっていることだったので、心強いな~今後変ってくきっかけになれば良いな~と嬉しく読んでいました。

そんな若宮さんをゲストに迎えた新年のコミュラボオフ会。色々考えることができて楽しかったし、参加後はとてもエネルギーが湧きました。

「ハウ・トゥ アート・シンキング」

まず課題図書の「ハウ・トゥ アート・シンキング」を買って読もうと思ったら、主催のG2さんからこんな注意書きが。

未読な方はリアルな書店でぜひお買い求めいただき、ご一読の上、ご参加ください。
今、若宮さんはリアル書店の応援をされているそうです。

いまや本は基本Kindle、そうでない場合もAmazonでポチることが多かったので、リアル書店の在庫を調べて買いに行く、という体験が懐かしくてワクワクしました。いくらでも時間を消費できる大好きな場所なのに、最近めっきり行けてなかった…。カバーをかけてもらえるのも、書店の良いところですね!

先に読んでたコミュラボ仲間が「すごくおもしろい!」とコメントしていたので、買ったワクワク感とともに、期待度高めで読み始めました。

この本が読者として想定するのは第一に、現状に閉塞感を感じながら、なにか新しいことに踏み出したい、とモヤモヤを抱えた人たちです。

なにをしたらよいかわからない。一生懸命に働いているが仕事にやりがいがない。終わりのない消耗戦に巻き込まれているような気がする。みんなのようにうまくできない。私はどうしてこの仕事をしているんだっけ。

やりがいがないとまではいかないけれど、プロジェクトタスクが積みあがって日々もがいている私に、さらに期待を持たせる「はじめに」でした。

読みはじめると、文章はとてもわかりやすく、内容は突き刺さるところがありまくりで、たくさん自分のことを振り返りながら読みました。以下、自分のためのキーワードのメモです。

・アートは「おなじ」を増やさず、「ちがい」を増やす
・制約や抵抗を感じたとき、そこから生まれる工夫が「自分」をアップデートさせてくれます
・「分からない」はイノベーションの必須条件であり、「正解」はイノベーションの敵なのです。
・「否定」と「丸投げ」に注意する
・「違和感」や「偏愛」のような理屈を超えた「自分」だけの動機を起点にすること
・まずいレモンを買ってしまったら、レモネードにすればいい。
・相手に阿ることで自分の価値が下がるのであれば、その人とは縁がなかった、と割り切ることも大事です。
・ときどきの初心、老後の初心
・「黒歴史」を活用すると、そこから「いびつ」な「自分」の形が見え始めます。

オフ会当日

コミュラボはコミュニティについての場なので、「アート思考とコミュニティ」というテーマで、参加者の方の経験に基づいた質問もたくさん出て、すごく盛り上がりました。

いつもの守随まとめからご紹介。本の表紙に合わせて白黒で、この日に話したキーワードが散りばめられています。最初から素直に「本を読んだけど良くわからない…」とおっしゃってた守随さんステキでした。しかし、わからないということは正しくアート思考の入り口に立っているということらしいです。(逆に「分かった!」となっているのはアート思考ではない可能性あり)

内容については、G2さんの記事にしっかり書かれています。アート思考の説明から入り、参加者の方の疑問に答えることで色々な話が広がって、あっという間の2時間でした。

コミュニティというテーマに関してさらに若宮さんが記事を書いてくださっています。やっぱりわかりやすい!

ほんとに色々なテーマがあったのですが、特に個人的に強い興味があったところについてここからは書きます。

デザインシンキングとの違い

デザインシンキングを知ったとき、「(これまでのロジカルシンキングと違って)私に合ってる!」みたいなかんじでピンと来て、色々やっていました。(前職で)社内向けのトレーニング開発に関わったり、お客様とワークショップを実施したり、コミュニティでイベントとしてやってみたり。

デザインシンキングを説明するとき、ロジカルシンキングとの違いを右脳と左脳にたとえて説明することもあったので、アートシンキングはまたどう違うの?という疑問がありました。

デザインシンキングでは、ユーザの現在のプロセスを観察し、どんな問題があるのか、を共感によって見つけて行きます。

アートシンキングは2015年ごろから聞かれるようになった言葉で、まだいろいろな定義がありますが、自分起点というところが主な特徴です。

どの思考法が良いとか「これからはアート思考だ!」とかではなく、局面によって必要な思考法が変わるという説明が本に書かれていました。

「ロジカル・シンキング」が論理的に顕在課題を分解し、「デザイン・シンキング」が共感的に潜在課題を見出して解決するのに対し、アート・シンキングは基本的に誰かのためには働かないようです。他者の課題解決ではなく、自分がやりたいことを大事にする。たとえて言うなら「わがまま」な赤ちゃんのようなところがあります。

オフ会で説明してくださったのは、どれも必要ということ。

まずは、守破離の流れで
ロジカル思考(誰でもできる)→デザイン思考(センス要る)→アート思考(自分しかできない)
という稽古を積んで行き、
自分起点で生まれたものは、
アート思考(1人称)→デザイン思考(2人称)→ロジカル思考(3人称)
と段階によって活用していくことで、スケールしていく

(自分から出てくる動機を大切にしよう、というのは前にこの本を読んだ時にも出てきて、すごく共感した内容だったのを思い出しました。)

自分だけのworkを作り出す

私のモヤモヤにズバリと効いたのはここ。

アーティストが自分だけの「作品work」を生み出すように、
アート・シンキングは自分だけの「仕事work」を生み出す。

仕事を「もらう」「こなす」ものと考えがちだけど、自分で作り出して良いじゃん!ということ。

そして、その仕事が思い通りにいかなかったりして、フィードバックがあって、自分の形が見えてくる。

自分起点=我 ではなく、社会との関係を問い直すもの。

このくだりが、積みあがった仕事につぶれてしまいそうな私に元気をくれて、より前向きに過ごすエネルギーになりました。

(この記事にもこの話は出ていたのですが、最初読んだ時にはピンとこれてませんでした。)

おわりに

長くなってしまいましたが、この会を通してなぜ元気になれたか?というと、

正解は存在していなくて、自分を起点に実践していくしかない

という考えがインストールされたからかもしれません。
そもそも、仕事していてモヤモヤしていたのは

わたし、この仕事うまくこなせてない気がする!やばい!焦る!

という不安がもくもくと沸き上がってしまっていたからでした。
冷静になってみると、みんなそれぞれの試行錯誤でやっているし、私も私の試行錯誤をして、他の人のやり方が素敵だったらそれも取り入れて、何とか進んで行けばよいんだな、と思えて、焦りが減ってきました。

というわけで、今週も、仕事に追われて無駄に不安に落ち込まないように、自分起点で進んで行こうと思います。

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