透明人間は生きる

白く光る窓
生温い体
長い快速の時間
僅かな隙間から朝日を見ていた

何が起きても世界はまわって
透明で見えないような
自分で自分を疑う

迷っていたら奪われる
電車の空いた椅子みたいに
それすら争う力もない
太陽を見てどうにか目を開く

急ぐ人
漠然と見つめる
何を欲しがるのか
そこになにがあるのか
目を回して
なにひとつおぼえのないかたち
何になればいいか
存在しているか
世界はまわる

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