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尾根筋が美しい秋です

 紅葉真っただ中の秋です。東西に広く標高差の大きい飯高町では見頃は決めにくく、あっちやこっちで見頃だったりもう少しだったりとちょうどいい時に居合わせるのは難しいですが、川を見下ろしたり山を見上げたりするとどこかは美しく、秋の見映えを楽しむことができます。
 
 林業盛んな飯高の山々は、市場に出回りやすい杉やヒノキを植えているところが多く、特に夏場は緑豊かでよく見てみないと樹種が多様であることはわかりにくいのですが、秋の尾根筋は色とりどりです。天然林なのかどうかはパッとみただけではわかりませんが、いくら経済政策で針葉樹の植林が進められようと、尾根筋は切らずに残したままにしておいたとも言われています。おかげで色づく秋が大きな眺めで楽しめるのです。

 山を崩さないために尾根筋は伐採せずに残しておいた先人の考えのおかげで、今も山は豊かで水が美しく、暮らす人々にとって誇らしい里山でいられます。もし深い考えがなく尾根筋を削ることがあっては、多様な素晴らしい秋の眺めも台無しになるなぁとゾッとしました。

 山の尾根筋をわざわざ削っての風力発電計画に市として反対する請願が通ってひと月近くになります。東京から市議会の委員会に答弁しに来た事業社も、話をした上で賛意を得られなかったことはご存じです。豊かな秋の山も見ているのでしょうか。未来に残したい山の姿を描く先に、私たちが子孫につないでいく行動があります。生物多様性を保全して、人の暮らしも守り、心地よく生きていく未来のためにできることをしていきたいです。
 風車が似合う場所もあると思うのです。真っ先に砂漠が思い浮かびますが、水力や地熱などの再生可能エネルギーがないところでの風車は人々の希望にもなります。けれどどこでも似合うわけではないことを何度も何度も伝えたいです。発電所を造るための動力や耐久年数なども必ず合わせて考えて、総合的に判断をしなくちゃいけません。風力発電=エコという思い込みは払拭して、日本の山はどうあってほしいかをとことん考えて未来につなげていきましょうよ。
 
 香肌の山は晴れた日が続いているおかげもあって、登山客でにぎわっています。山がどうなってしまうのか懸念していた方々も今年は昨年度よりも安心して登ってくれているでしょうか。そうあってほしいと願っています。

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