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松阪市住民の声は市政に届くのかな?

飯高町の山々に大規模風力発電所が計画されている件を、完全撤廃してほしいという要望書を、11/22に市役所に提出しに行きました。

伊勢新聞のニュース にも載りました。

飯高町の上流2地区では何か月も前から本当に多くの人が時間を割いて、それぞれ話し合いをしたり情報共有をしたり地域の行末を案じたりしていました。その上で事業者からのなんだかお粗末な住民説明会があり、もうこれは先がないと、自治会毎の決議をとって、反対の総意を固めました。それを松阪市長宛と市議会議員の議長宛に連合の要望書として正式に提出しに行ったのです。上流2地区に連なって、飯高町真ん中の地区も合同の3住民自治協議会連名での要望書は、住民ができるかなり大きな動きです。同日、大台町でもこの件に関して町内外からの4,408名の署名を要望書と共に大台町長に提出していました。

大台町側は、町長が元々自然保護の視点が強く、9月の時点でもう反対の意を示していて、県にも働きかけることを約束してくれたという話です。

で、松阪市はというと、住民が要望書を提出しに訪れることは事前に伝えてあったのに、市長は公務があり、副市長が代理での対応でした。そして市長に言われていたのか「現時点ではまだ詳しいことはわからないからなんとも言えない」を繰り返したのです。「松阪市としては中立の立場」とも。それってなんだかおかしくないですかと、素朴な疑問が湧きました。

過半数の意見を汲んで賛成だ反対だというのは市政として賢明だとは思えません。少数派の意見を汲み上げて活かす在り方があればこそ、いろいろな事情を抱えている住民がそれなりに安心して過ごせるのだとは理解できます。ただしこの大規模に自然破壊を伴っての不安定な風力発電事業計画に関しては、住民の9割を超える人が反対し、この「常軌を逸した事業計画を、地元住民として到底受け入れることはできない」とまで踏み込んでいるのです。

6:4でもない、7:3でもない、8:2ですらなく9割以上が声を挙げているのに未だ「中立の立場」は市政として住民の声を無視するということではないのか、不信感を高めることになりました。またその計画が綿密に練られたものであり、市にとっての利が大きいことが明らかなら反対することはできないのかもしれませんが、防災の点も全く欠き、原生林や水源地であることへの配慮もなにもない杜撰な計画です。市がそれを進める理由やいかに。

「現時点では詳しいことはわからないから様子を見る」とは、計画の推進ではないのでしょうか。詳しく次に進めてくれと。詳しく進めた時点でこれは受け入れられないなと根拠を得たら、その時に急変するのでしょうか。それは事業者にとっても不利益な話です。どうも多少の指導をいれながら、事業を進めていくような雰囲気がしてしまいます。一体なぜ。

行政に強いかじ取りを期待しているわけではないです。特にこの風力発電の件に関しては、事前に業者から連絡があったのにも関わらず、周知活動をするよう指導するわけでもないし、住民の声を聞きに来ることもありませんでした。情報を取りながらどうにもしないというのがスタンスであることはまあ別にいいのです。隠していることがあってもまあいいのです。もしかしたらずっと先まで見据えているのかもしれませんし、住民の内外からの圧力があるのかもしれません。それもまた無理なからぬことで、思い通りになってほしいなどという期待はしていないのです。それでも、流石にバランスがあるだろうなとは思います。意固地になっているように見えたらそれはもう明るい政治ではないです。うまいことバランスをとって、一筋縄ではいかない市政を回してくれたらいいのですが、どうなっていくのでしょうか。

事業者の住民説明会には市の職員も傍聴として参加されていました。事業者が住民に対して「議事録を作成して自治協議会にお渡しします」と述べたことや、「漁業協同組合に連絡します」と述べたことも聞いておられます。どちらも事業者はほったらかしにしているわけですが、まあそんな信用ならない会社であることは明らかになっているわけです。

松阪市は三重県の市としても広範囲なので、バランスを取るのは確かに難しいです。通常業務をこなすならば。ただしこの件に関しては、住民の声は、分断を避けようと細心の注意を払ってコツコツと積み上げてきた住民の声は、揺るぎようがないです。飯南地域での同事業者による無謀な風力発電計画の時も、泥沼の末に「住民合意がなければ計画は進めない。市有林の使用は認めない」と決まったのに、今回その教訓を全く忘れたかのように、事業者が計画を進めることを容認しているのが現時点での松阪市の体制です。

一体なぜなのか。何かはあるのだろうけど、それよりもまあ、そろそろもうそのまま進めていくわけにはいかない時期であることに、そうすることがモヤモヤしている住民の為にもなることに、いい加減気付いてほしいものだと思うことになった、要望書提出の日でした。松阪市として魅力的な目論見があったのかもしれませんが、地形が崩れて大災害が引き起こされたら、困るのは地域だけでなく市全体なのです。杜撰な計画の事業者に、世界に誇れる貴重な山々を引き渡してしまうと、申し訳が立ちません。税収に目がくらむのなら、他に方法があるはずです。道の工事がしたいのなら、土地をわかっていてまともな仕事ができる人をつないでいくべきです。金融業者に売り渡すのはあまりに危険で損害の大きい話ではないでしょうか。まあそんなこととっくにわかっているとは思うのですが、どこかで話が混線しているのかもしれませんね。曇りない目でもう一度見直してほしいです。そしてそろそろバランスを取り戻す動きがあったらいいと、切に願っています。




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