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防災の日に思うことは

台風が不穏な動きを続けています。来るのか、来ないのか、どこに行くのか、どうなるのか。不安な気持ちは続きますが、どうなろうともなんとかやっていけるように、備えておくしかありません。暮らしながら、山の様子に気を配り、川の様子を察知して、大事がないよう情報を回し合っておくことが最大の防災になるのではないでしょうか。

8月終わりから雷を伴う雨が多くなっています。その影響でなのか、飯高町の川俣地区で工事現場の法面が崩落するということがありました。
人的被害はなかったものの、道は通行止めとなっており、大型車両の通り道なので、暮らしに影響が出ています。
崩落現場の写真が新聞にも掲載されています。

現場を視察された方が、崩れ落ちてくる石の写真を撮ってくださいました。
地元では見慣れた石です。ポロポロっと割れる黒い石。専門用語でどう呼ぶのかはわかりませんが、川原にもよくあります。

この辺りの地盤は中央構造線と続いており、崩れやすいということは、今までも散々指摘があります。脆い地盤であり、昔から道を付けるのに苦労してきたことは一目瞭然です。技術向上もあり、丁寧な道路工事により道を通すことは可能であるし、いつもいつも土砂崩れが起きるわけでもないのです。

ただやはり、水の多い気候で、脆い地質で、そこを山が守ってくれている地域です。大工事をしてしまうと山が崩れてくるのは自然の流れです。

風力発電事業者は、風車用の道や風車設置個所がもろい地質の真上や間近でなければ、安全上問題ないという回答を用意しているようです。防災の観点を欠いた計画だという指摘も、腑に落ちないようなのです。
事業計画者自身にどれほど現場感覚がなかろうと、協力者や工事を請け負う可能性のある立場から指摘ができそうなものですが、指摘がないのか聞く耳を持たないのか。相互理解が進めばいいのですが。
上記の道がしばらく使えなくなり、付近の住民は困るし復旧工事も大変ですが、自然がメッセージを送ってくれているように思えてなりません。今回は人的被害もなく、孤立集落もありませんでしたが、次も無事でいられるかはわかりません。勿論安全じゃないとも言い切れませんし、むやみに怖がるのもおかしな話なのですが、現場感覚を欠いた計画が進むことには、中山間地域で暮らすものとして異を唱えたい思いは強まりました。

水源地でもある山を脅威とせず、山があるからこそ大雨でも洪水が起こらず守られている。そのあたり、もっともっと深く理解して伝えられるようになっていきたいですね。

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