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それ、残業依存症かも?

自分が残業をしてしまう理由、理解していますか?
・業務量が多い?
・帰りづらい?
・初めての仕事だから時間がかかってしまう?
それはそれで一つの原因でしょう。

しかし、「つい、残業してしまう」

そういう人も少なくないのではないでしょうか。
それは、多くの人が陥ってしまい、それでいて自分では気付きにくい
「依存」が原因の可能性があります。

依存とは何か?

ゲームで敵を倒した時、
パチンコで当たった時、
タバコを吸っている時、
買い物でレジでお金を払った時、

こういう時、脳の中では快感を伝える物質「ドーパミン」が出ています。

ドーパミンは脳内麻薬とも言われ、ドーパミンが出ると
その行為を「また、やりたい!」と、無意識に求めるようになります。

これは、人間や動物に備わる本能で、
例えば狩で獲物を仕留めた時に
「また、獲物を仕留めたい!」
と思うための「脳の機能」です。
このドーパミンという脳の機能があることによって
ちょっと難易度の高い狩猟にも臨むことが出来るのです。

ここでは、「依存性」というのはそれだけ原始的で基本的な人間の機能であるということを理解しておいてください。
また、この依存性は「ついやってしまう」という軽い衝動から、「ムショウにやりたくなった!」という強い衝動が含むということも覚えておいてください。

ドーパミンが出る経験をすると、
いくら頭では「やるべきでない」と考えても、
無意識に「また、やりたい」と求めてしまうのです。

例えば、
頭では「今日はゲームをやらないようにしよう」と考えても、
ついゲームの電源を付けてしまう。
頭では「今日はYouTubeを見るのをこの動画で最後にしよう!」と考えても、
つい次の動画を見てしまう。
これがドーパミンであり依存症です。

脳科学的に見れば「意思」は絶対に「ドーパミン」には勝てないのです。

残業でドーパミンが出るメカニズム

残業している時は、ドーパミンが出やすい条件が揃っていると考えられます。

残業中に進める仕事は、たいていの場合は個人作業です。作業の進め方を自分でコントロールできるため、「なんで残業しなきゃいけないんだろう」とさえ思わなければ、通常の勤務時間中よりもストレスはありません。

また、残業している間は、お客さんが来なかったり電話が鳴らなかったりして普段よりも集中力が高まりやすい状況にあります。

残業している時、こんな経験は無いでしょうか?

何かに取り憑かれたように軽い興奮状態で夢中になって作業を進めたりとか、
集中して一気に作り上げた資料を見返して達成感を覚えたりとか、
残業が終わった時に夜9時とか10時の時計の針を見て怒りとも嬉しさとも付かない妙な興奮を覚えたりとか。

そう、このとき脳内ではドーパミンが物質が出ているのです。

ドーパミンが出ると、快感を覚えるだけでなく、集中力が増します。
それだけなら良いのですが、また次の日にも定時近くなるとドーパミンが出てしまうのです。

こうなってしまうと、自分の意思ではドーパミンに勝てません。

いくら頭では「残業したくない」と考えていても、
本能的な部分で「残業したい」と求めてしまうので、
いわゆる「やる気スイッチ」が入ってしまいます。

残業している間は集中しているので何とも思わないのですが、
ふと我に返って「何でこんなに頑張らないといけないんだろう」と思った瞬間にどっと疲れが襲ってきたり、家に帰った時にはもう何もやる気が起きなくてついスマホやゲームに手を伸ばしてしまいます。

こうなってしまうと、翌日にも疲れが残ってしまったり、睡眠時間が減ってしまったりして、ストレスが溜まりやすい状況になります。

残業依存症の回避法

じゃあどうすれば残業依存症にならないのか?

そのためには、3時以降、意図的にやる気スイッチを入れないようにする必要があります。

そしてそのためには、午前中に全力を出すことが一番です。

世の中には時間術の本や仕事術の本がたくさんありますが、こういった本に共通して書かれていることが、
「集中力が必要な仕事は朝イチでやる。
メールチェックや定型的な業務は午後に後回しする。」

ということです。

実践してみると分かるのですが、午前中に全力を出してしまうので午後3時くらいになると「達成感」と「疲れ」を合わせたような感覚、
ひとことで言うと「やり切った感」を感じます。

この状態になれば、定時になってからやる気スイッチが入ることはありません。
なぜなら、疲れているし、既に達成感を覚えているからです。

残業依存症を避けるためには、定時の前に「やり切った感」を出すことです。

残業しないと終わらない?

ここまで読んでいただいた方の中には、
「いや、業務量が多くて残業しないと終わらない」
と言う方も多いでしょう。

誰にだって、
慣れない仕事で時間がかかってしまったり、
どうしても自分のコントロールできない部分で仕事が重なってしまったりして、
残業に食い込んでしまうことはあります。

それは仕方ありません。

ですが、この「早い時間に集中力を発揮して一気に進める」ということをすれば、残業をゼロには出来なくても、残業を減らすことができるはずです。

一番良くないのは、
毎日9時に帰るとか毎日10時に帰るというのが習慣になっているパターンです。

「業務量が毎日同じ量だ」というような仕事をしている人はそういないはずです。

業務量は毎日違うはずですし、季節によっても違うはずですし、経験を重ねればスピードも上がるはずです。

少し厳しい意見になりますが、
常に10時に帰る人は、逆に言うと10時になれば仕事が終わらなくても帰る
ということではないでしょうか。

その場合、残業依存症の疑いがあります。

でも大丈夫です。

定時になったとき、ひと呼吸おいて、
今、自分は〆切に間に合わないから残業しようとしているのか、
なぜ残業しようとしているのか自分に問いかけてみることです。

もし、すぐに理由が浮かばない場合は、
ドーパミンに操られて残業をしようとし、その理由を後付けで考えている、または、漠然とした不安感を払拭したいだけのために残業をしている可能性があります。

残業依存症を治すのは簡単

ここまで依存症の恐ろしさを説明してきましたが、
残業の依存性なんてギャンブルや酒やタバコの依存性に比べたら
まったく大したことありません。

なぜなら、残業したところで
ギャンブルで当たった時のような興奮は得られないし、
酒やタバコのように化学物質が直接脳に作用するわけでもありません。

残業依存症の疑いのある人は、次のことを実践してください。

・午前中に全力を出しましょう。
・午後3時くらいにはその日にやろうとしていた仕事を終わらせるようにしましょう。
・「定時依存症」に自分の脳を仕向けましょう。そのためには、早く帰った時に「また、早く帰りたい」と脳にすり込ませるために、美味しいものを食べたり好きなことをして自分にご褒美をあげましょう。

残業依存症を治すのは簡単です。
「あれ、なんで自分は残業しようとしているんだろう」と
自覚さえすれば良いのです。
誰だって残業したくないはずです。

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