LA SENAS "COUNTRY OF FRENZY"(2024年、日本)


今日は山縣俊介さん(ガタさん)が所属する「熱狂打楽器集団」、ラセーニャスのライブにお邪魔した。そのライブで感じたこと、考えたことを踏まえながらラセーニャスの音楽について短いながらも書いてみたい。
原始、音楽を奏でる者はラセーニャスのようにリスナーをトランス状態へと誘う者だった。しかし、現代のクラブのような機械的なトランス状態への誘いではなく、各々の中で眠っている人間の原始的な本能を呼び覚ましてくれるような音楽だ。ジャンベやボンゴ、和太鼓といったパーカッションの大群の激しい波が、襲うように己の体の奥底にあるコアな部分を刺激する。
今日のライブでもリーダーの方がおっしゃっていたように、ラセーニャスの「熱狂的な」打楽器音楽は人間の生きる力を覚醒させてくれるものであり「生命音楽」と呼ばれてしかるべきものだ。
皆さん、楽しんでますか、という呼びかけが何度も今日はあったが、確かにラセーニャスの音楽は実に楽しい。しかし、ただ単に「楽しい」を超えた可能性がこの音楽集団にはあるな、と感じた。アフリカの太鼓奏者たちが互いに演奏しながら自身のコミュニティーの強固さを確かめているように、ラセーニャスのライブ会場もまた"Country of Frenzy"、「熱狂の国」というコミュニティーへと変貌する。演奏者と観客、スタッフなどここにいる全員がラセーニャスなのだ、というMCがあったが、あれはまさにたった三時間ながらも存在したひとつの独立国家だった。
ラセーニャスは古代から連綿と繋がる民族音楽奏者の、現代に生きる末裔なのかもしれない。

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