[脱線] "A Very Merry McBirthday from Ronald McDonald"(1983年、アメリカ)


これはアメリカのマクドナルドが幼児向けに制作したLPレコードである。ゲームをしたり、ジョークを言ったりしてマクドナルドのイメージキャラクターのロナルド・マクドナルドと一緒に君の誕生日を楽しく祝おうよ、という趣旨のものだ。
とにかく人畜無害な内容。A面の1曲目 "A Very Merry McBirthday"では、お誕生日おめでとう、君が何才になったとしても、みんなで一緒にゲームをしたり、なぞなぞをしたり、ジョークを言ったりして楽しもう、みんなが一緒だとできないことなんてないさ、という毒にも薬にもならない歌詞だが、さすがは世界一のバーガーチェーン店、「ハンバーガー・ロックンロールを踊ろう」というマクドナルドならではの歌もこの後にある。
このレコードに登場するアメリカン・ジョークの一部を紹介してみよう。

・「時計が13をうつ時ってどんな時かな?新種の時計を発明する時間だね!」

・――「君、何しているんだ?」
――「鏡を見ているんだ」
――「でも君、目を閉じてるよ。どうやって鏡を見ることができるっていうんだい?」
――「自分が寝ている時に自分がどう見えるのかを確かめているのさ」

これまたさすがはアメリカン・ジョーク、日本人と笑いのツボがかなり違う。しかし比較的平易な英語でジョークをとばしてくれるからネイティブの子どもでも解するアメリカン・ジョークの入門編としては最適かもしれない。
それにしてもジャケットに描かれたマクドナルドのキャラクターたちは最近では店舗でお目にかかれない。メインのロナルド・マクドナルドさえも店舗でお目にかかれるかは、はなはだ怪しい。
ちなみに英語圏では"Ronald McDonald"だが、日本では「ドナルド・マクドナルド」である。日本人にとって"r"と"l"の発音の区別が難しいから、というのが理由らしい。英語では「マッダーナルズ」となるところも、日本語では「マクドナルド」である。
話をこのレコードに戻すと、少なくとも毎日ヘビーローテーションで聴くものではないだろう。思い出したように棚から手に取り、ターンテーブルに渋々乗せ渋々針をおろすシロモノ。それ以上でも以下でもない。俺、変なレコード持ってるんだ、と友だちに見せて興味を持ってもらうにはいいかもしれない。

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