治験#2 プラセボってなんですか?|質問あるある
こんにちは!
現在産休育休中ですが、普段は治験コーディネーター(CRC)として病院で働いています。
治験とCRCに関するざっくりとした説明は以下noteをご参照ください。
さて、よくある質問の1つですが〝プラセボってなんですか?〟について回答します。
プラセボとは、ご存じの通り薬効のない薬のことです。
プラセボを設定する理由としては、開発中の新薬の副作用や効果を確認するためです。
プラセボを設定した方が比較しやすいデータになるイメージがあります。
ここでは開発中の新薬についてわかりやすくするために〝治験薬〟と呼ぶことにします。
例えば、標準療法と治験薬の組み合わせが標準療法より効果があることを示したい場合、以下A〜Cのデザインで治験を計画することが多いと思います。
標準療法とは、科学的根拠のある現在の1番良い治療法という意味で使用しています。
珍しいですか、パターンCですと強気な製薬メーカーだなあ、と思います。
左の〝R〟はランダム化を表しています。
ランダム化とは、コイントスのようにランダムにどちらの群に当てはまるか決定することです。
試験毎の専用webサイトへ必要事項を入力して、コンピューターが該当する群を決定することが主流です。
それぞれの群の特徴(年齢や性別、病気の特徴など)を均一にすること(バラツキをなくすこと)を目的としています。
医師をはじめとする医療スタッフや、患者さんの希望で群を決めることはできません。
どちらの群に割り当てられたかは、わかる場合とわからない場合があります。
プラセボが活躍する場合は、パターンBで計画された治験に参加する場合です。
大抵、どちらの群に当てはまったかどうかについては医療スタッフも患者さんもわかりません。
(もちろん安全策として、緊急時にはわかるようになっています)
治験薬とプラセボは見分けがつかないようにして投与します。
病院での治験治療の見かけ上、どちらの群も標準療法+αですが、患者さんたちのデータを集めると治験薬の効果がはっきりとわかるものになります。
プラセボ群だった場合、標準療法群より効果が低いのでは?と思うこともあると思います。
大切な前提条件ですが、治験薬は研究段階の薬ですので、治験の段階では科学的に効果があるとは言えません。
わかっていない副作用もあります。
治験の結果、標準療法+治験薬より標準療法の方が良かった、となる場合だってあります。
標準療法群だったとしても現代の科学の最善の治療なので、治験薬群でなくてダメでした、というものではありません。
(気分的にはそうではないかもしれませんが…)
どちらの群でも参加されている患者さんの治療が上手くいけば、治験の最終的な結果がどうであれ、良い治療選択だったのではないかと思います。
以上になりますが、わかりにくい部分や気になる部分はコメント欄にお願いします!
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