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創造性が高まる?ウォーキング会議実践ガイド

こんにちは。minmeeting伊勢川です。

今回は、できるといいなと思いつつも、都内では実践がしづらいウォーキング会議、これをなんとかできるようにするための実践ガイドをご紹介します。

■要約

・ウォーキング会議で創造性が5.25%高まる?
・煮詰まった時のウォーキング会議は有効
・1on1を実践するにはちょうどよい
・ウォーキング会議を日本で実践するための工夫を紹介

■米国の調査結果

「ウォーキング会議」が創造性も集中力も上げる
https://www.dhbr.net/articles/-/3638

上記の文献において、150人のアンケート調査において、「ウォーキング会議を取り入れている人はそうでない人に比べ、『仕事においてより創造的になれる』と報告する割合が5.25%高かった」と書いてありました。

主観的なアンケート調査のため、ウォーキング会議で創造性が高まると結論づけるのは早計ですが、その効果を実感できた人は多かったようです。

また、長時間座っていることが健康に悪影響であるという報告もあり、健康を維持するという意味でも、ウォーキング会議はやってみる価値があると思います。いろいろ実践してみる中で、わかってきたことがあるので、その辺のノウハウをまとめます。

■都内でのウォーキング会議はいろいろ大変

都内でウォーキング会議をやってみると、いろいろと不都合がありました。

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第一に、人通りが多いため、機密情報については話すことができません。歩いて移動しながら話しているため、喫茶店などのように隣の人の話題が丸聞こえとなることはありませんが、仕事の話をするときは注意が必要です。

第二に、車などの音で話が遮られることが何度かありました。車の通りが多い道だと話にならないので、裏道を把握しておく必要があります。

第三に、道が狭いため、横並びで話ながら歩けない場所がありました。また、あまり大声で話をする訳にもいかないので、都市部でのウォーキング会議は4人までが限界でしょう。

これらの問題は、どの道を通れば人や車通りが少なく、歩道が広いのかを把握しておくことで、ある程度は回避できます。

■ウォーキング会議に向いているシーン

ウォーキング会議は、都市部の道路事情から、少人数の会議に向いています。また、ホワイトボードなど整理するものがないので、整理・まとめなどの収束会議には向いていません。他方で、歩いて景色を見ながらリラックスした状態で話せるので、発散や相談ごとには向いています。

例えば、最近いろんな会社で取り入れられている1on1ミーティングにはぴったりです。会社の中だと話しにくいこともあるだろうという理由で、会社の外に出ても違和感がないですし、カフェで隣の人に全部話しを聞かれるよりはずっと話しやすいのではないでしょうか。

また、商談の帰り道でのふりかえりは、多くの営業担当者が実践しているとは思いますが、喫茶店に寄って帰る代わりに、一駅飛ばして歩きながら話をしてみるというのもたまにはよいと思います。

■ウォーキング会議を実践するタイミングは

では、ウォーキング会議はどのようなタイミングで実践すれば、最も創造的な結果が得られるのでしょうか。以前紹介したゾーンの研究にそのヒントがあります。

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ハーバート・ベンソン、『ストレスの効果を最大限に生かす ブレークアウト原則の科学』、December 2006 Diamond Harvard Business Review。

この論文によると、まず困難な問題に本腰を入れてしばらく取り組み、生産性の低下やストレスを感じ始めた後に、切り替えて休憩をし、リラックスすると、創造的なアイデアや問題解決の方法がひらめく「ブレイクアウト(ゾーン)」の状態になるとのことです。

つまり、何かに集中して取り組み、ストレスを感じるぐらいまで煮詰まった状態になったときが、ウォーキング会議に出発をする良いタイミングです。

■アイデア出し実践のポイント

ウォーキングとアイデア出しの相性はよいのですが、こちらも成果を出すには少し工夫が必要です。

・テーマを決める
まずは、テーマを設定します。歩きながら漫然と話をしていると、どんどん脱線していくので、普通の会議のときよりもテーマは繰り返し何度も確認するようにしましょう。

・思いついたキーワードやフレーズをスマホの音声入力でメモ
次に、テーマに関して思いついたキーワードやフレーズを、質の善し悪しは問わずにどんどんスマホの音声入力でメモをしていきます。いろいろなアプリを試してみましたが、この用途にピッタリなものは見つからなかったので、普通のメモアプリでよいでしょう。

創造的会議の科学 (5)

私はGoogleのKeepを使っています。このアプリで録音をすると、自動的にテキストに変換してくれます。正しく文字認識がされなかった場合でも、音声が録音されているため、後から何を言っていたのか聞き返すこともできます。

創造的会議の科学 (6)

Google Keepの場合、もう一つおすすめの使い方がチェックボックスを表示するという方法です。これを用いると、キーワードやフレーズの並び替えや、不要なキーワードをチェック済みにして非表示にできたりします。

・テーマに関してアイデア出しの観点や問いをスマホの音声入力でメモ
一旦思いつく限りのキーワードやフレーズを出し終わってアイデアが尽きてきたら、次はアイデア出しに役立つ観点や問いを洗い出してみます。例えば、これまでのアイデアに抜けていそうな観点を洗い出したり、これまでのアイデアの前提にある考え方はなにか、逆にしてみたらどうかというような問いをリストアップします。そして、その観点や問いに基づいて、もう一度アイデア出しを行います。

・発散にとどめ、歩きながら整理しようとしない
ここでのポイントは、ウォーキング会議の最中は発散に集中することです。前述の通り、ウォーキング中は、ホワイトボードやPCなどが使えないため、ものごとの整理には向いていません。発散が終わったら、さっさと引き上げて、ホワイトボードやPCの前で整理をした方が圧倒的に効率がよいです。

以上のように、適切なタイミング・適切な方法でウォーキング会議を行えば、いつもより創造的なアウトプットが得られる可能性が高まります。また、座りすぎも解消して健康が維持でき、一石二鳥です。普段のマンネリ会議に飽きた人は、すぐにでも試してみるとよいでしょう。

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