【SEA】マリナーズ2022ドラフトピックス
初めに
今回の投稿では、マリナーズが今年のドラフトで指名した選手を紹介していきます。ジェリー・ディポート政権下では、大学生偏重のドラフトを行ってきたことを昨年のドラフト指名選手の紹介記事で触れています。
21年は上位3つの指名権で高校生を指名するなど、それまでの傾向とは打って変わった高校生偏重のドラフトを敢行し、モックドラフト界隈を泣かせたとの噂があります。
1巡目全体21位:コール・ヤング(SS)ノース・アレゲニー高
そして今年の1位指名もなんと高校生でした。
コールは傑出したヒットツールが光る、6フィート(約183センチ)、180ポンド(約83キロ)と比較的小柄な体格のSSです。
洗練されたアプローチから、速球、変化球どちらにも対応し、打球を広角に打ち分けることのできるピュアヒッターで、プロレベルでも高打率を記録することができるとされています。唯一のウィークポイントであるパワーは現状ギャップヒッター止まりですが、打球に角度をつける技術が身につけば大きく伸びても不思議はありません。
守備に関しては、SSに残れるだけの運動能力はありますがプラスのツールに欠けるため、将来的には2Bまたは3Bに回る可能性もありそうです。
高校生ながらこれといった大きな穴のない選手で、リスクはそれほど高くない方でしょう。ドラフト時点での打撃評価がそれほど高くなかった去年の2位指名選手エドウィン・アローヨを、Aで.318/.387/.516/.903、13本塁打、20盗塁と大きく飛躍させられたことを考えると、ヤングにも期待してしまいます。
2巡目全体58位:タイラー・ロックリアー(1B/3B)バージニア・コモンウェルス大学
ロックリアーは20-80評価で65とも言われる傑出したパワーポテンシャルが魅力の、ヤングとは真逆のタイプです。
21年には54試合で16本、22年は62試合で20本を放ったパワフルな打撃と三振数を上回る四球数を記録する洗練されたアプローチを両立したスラッガー候補です。木製バットを用いるケープコッド・リーグでも34試合で9本を放ちましたが、6四球に対し32三振とハイレベルな投手相手に苦しんだ様子も伺えます。
一方の守備は肩こそ強いものの、運動能力には欠けるため1Bへのコンバートが濃厚です。
プロレベルの投手に適応できるのか懐疑的に見るスカウトもいる一方で、打球速度や打球角度等は非常に優秀なため、データ重視のマリナーズが指名したことも頷けます。ややオーバーピックな指名のため、おそらくアンダースロットでの契約が可能なものと思われます。
2巡目補完全体74位:ウォルター・フォード(RHP)ペース高
フォードは12月に18歳になる、ドラフト候補の中でも最も若い選手の一人です。これは前述のエドウィン・アローヨも同様でしたので、若さもマリナーズが重視している要素の一つなのかもしれません。
フォードは最速97マイルを記録するファストボールとスピンの効いたスライダーの強烈なコンビネーションで打者を圧倒することができます。6フィート3(約192センチ)、198ポンド(約90キロ)の体格には成長の余地があり、将来的には100マイルを記録しても不思議はないでしょう。
高校生投手にはよくあることですが、あまり投げることのないチェンジアップを磨いていく必要があります。動きの大きな投球フォームをしており再現に苦労する時もあるものの、運動能力の高さから将来的には平均以上のコントロールを身につけることができると見る向きもあります。
チェンジアップとコントロールを磨くことができれば先発投手として、それが難しかった場合でも勝ちパターンの一角を担えるようなリリーフ投手へと成長できるかもしれません。ワクワクするようなポテンシャルの持ち主で、非常に惹かれます。
終わりに
以上上位指名選手3人を紹介しました。
ファンを不安にさせるようなパフォーマンスを続けていたマリナーズでしたが、6月の下旬頃から調子を上げ始め、なんと14連勝でオールスターブレイクを迎えています。現在ワイルドカード2枠目を確保しており、20年連続ポストシーズン出場なしの不名誉な記録に終止符を打つため、トレード・デッドラインでも積極的に補強を敢行するものと思われます。
本格的な補強を行えば、当然対価としてトッププロスペクトを放出する必要があります。長期間コンテンドすることのできるチームを作るためには、補強で放出したトッププロスペクトの穴を埋められるように、次のトッププロスペクトをどんどん育てていく必要があります。
誰が今夏マリナーズを去ることになるのかは分かりませんが、今年のドラフティーたちがしっかりと成長し、層の厚いフォーム組織を維持できることを望んでいます。
画像:MLB Draft
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