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【エッセイ】Simple

私が何かを“作る”とき。

“引き算”を楽しめるようになったとき、
“余白”を味わえるようになったとき、

作るのが、好きになる。
作るのが、うまくいく。

尊敬しているアーティストの方が、こう言っていたのだ。
「作った時の感覚の言語化をしてみると
自分の上手くいくパターンが見えてくるような気がします」

そこで、作るときの感覚を思い返してみると、
私はどうやら、“磨く”“削ぎ落とす”ことに、美と喜びを見出しているようである。

言葉を綴るとき、表現手法として使う以外の饒舌を削ぎ落とし、磨き上げる。

素材を並べて、コラージュを作るときも、無理に余白を埋めようとしないほうが、美しく仕上がる。

お料理も、そう。
味が決まらなくて、あれこれと調味料を足していくと、私はたいてい失敗する。
いっそシンプルなほうが、おいしかったと感じる。

人間関係も、同じだ。
お互いに無言で、場所や時間を共有するときも、会わないで過ごす時間も、
あたたかくて、大切に抱きしめたくなるような相手とは、
一緒に何かをしていても、していなくても、とても楽しい。

何かを作り上げるとき、私の魂は、引き算と余白を愛している。

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