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透明フィルム自作動画の補足

以下の動画をYouTubeにアップしました。

ミニチュアの透明フィルムを自作する動画です。

透明なフィルムを作成する方法だけを紹介すればよかったのかもしれませんが、オマケとして動画後半は応用編を少し紹介しています。

…というのも、透明なシートやフィルムの上に、たとえば値札とか商品名のシールを貼るなんてアイテムは、世の中にいっぱいあります。

しかし、これをミニチュアの世界で実行すると、ラベルの厚み・段差が問題になります。本物サイズでは気にならなくても、ミニチュア世界ではコンマ数ミリの厚み・段差も違和感の原因になることが少なくありません。

『いやいや!こんなに厚みのあるラベルやシールなんてありえない!』

…というツッコミを回避するにはどうすればよいでしょうか?

実寸が厚さ0.2mmのラベルであれば、1/12スケールの場合、厚さ0.016mmのラベルを作らなければいけません。これはかなり難問ですね。

たぶん、この問題の解決策としてメジャーなのは水転写デカールを使うことが挙げられます。使ってらっしゃるミニチュア作家さんも多いと思います。

その他の選択肢として、今回の動画の製法を紹介しました。

…ここまでが前置きです。

今回の動画公開にあたって、以下のような質問を頂きました。

「ラベルの表と裏面を透明テープで保護する理由は?」

この理由について解説します。

結論から言いますと、ラベルのシミ・みじみ予防のためです。

そもそもポリエステルやPET素材などがベースのものであれば、表と裏面を保護する必要性は薄いです。たとえば以下のようなレジン工作向けのシートであれば、まったく保護する必要はありません。

または、以下のようなフィルムを使う場合も、保護する必要性は薄いでしょう。

ただ、ほとんどの方は紙、それも普通紙で印刷すると思われます。紙の場合、そのままレジン液を浸(ひた)すと染み込んでしまいます。これではラベルがきれいに仕上がりません。(余力があればレジン液が染み込んだ画像例を後日アップするかも…。)

シミ防止の観点から、ラベル表層を保護する必要性があります。

そして、プリンターのインクとUVレジン液の問題もあります。

家庭用でプリンターを備えている場合、ほとんどがインクジェット式のプリンターだと思います。(模型工作をする方なら、トナー式やマイクロドライ式のプリンターを持っていらっしゃるかもしれませんが…。)

もし、使用しているUVレジン液が以下のような水溶性の場合、染料インクでプリントした印刷面にレジン液が触れると、印刷面が滲(にじ)む可能性が高いです。

以下のような顔料インクのプリンターなら、にじみの心配は少ないでしょうか。

ちなみにエプソンの場合、型番がPXからはじまるプリンターは顔料インク型、EPからはじまる機種は染料インク型のプリンターになります。

ラベルのシミ・にじみ防止の観点から、ラベルの裏表の両面に透明テープを貼って保護しています。

動画で保護テープにメンディングテープを使ったのは、視聴しやすいように、あえて使っているだけなので、通常はセロハンテープで問題ありません。(小さいスマホ画面で視聴される方への配慮で半透明であるメンディングテープを使いました。たぶん透明なセロハンテープだと判別が難しいので…。)

実際に私が今回の製法でミニチュア作品を作る場合は、ラベルの保護に透明テープはあまり使いません。しかしながら、視聴される方が挑戦する場合、1番手軽で確実性が高い方法がテープで保護する方法なので、今回の動画では紹介した次第です。

今回は、視聴者の方の工作環境や技量がわからないので、なるべく汎用性の高い方法を採用しました。

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