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【ミニチュア入門】樹脂粘土の着色はアクリル絵の具が最適

食べ物などのミニチュアを作る場合、粘土を使って造形することが多いです。粘土の中でも樹脂粘土の使用率が高いでしょうか。

その樹脂粘土を絵の具で着色する場合、主に2つの方法があります。

・粘土に絵の具を混ぜ込んで着色
・粘土が乾燥後に絵の具を上塗り

たとえばミニチュアのパンを作るには、薄く黄土色の絵具を粘土に混ぜて着色し、粘土の乾燥後に焼き色などを彩色します。

着色・彩色できるものとしては水彩絵の具やポスターカラーなど、いわゆる絵の具・塗料があります。どの絵の具・塗料を使うのがよいのでしょうか。

個人的な結論から言えば、ミニチュア作りでおすすめの塗料は「アクリル絵の具」です。(もっと具体的に言えば、「リキテックス」社の「ソフトタイプのアクリル絵の具」です)

数ある絵の具・塗料の中でアクリル絵の具をおすすめする理由を解説します。

有機溶剤系の塗料

私が小学生の頃はプラモデルがブームでした。特にガンダムのプラモデルが大人気。当時のガンダムのプラモデルは無着色だったので、アニメのようなガンダムを表現するには、模型用の有機溶剤系の塗料で塗装する必要がありました。

有機溶剤系の塗料は性能は優秀ですが、人体に有害な成分も多いので防毒対策が必須です。また、プラモデル用の有機溶剤系塗料は引火性も高いのも難点です。総合的に見て粘土の着色剤としては、あまりおすすめできません。

油絵具

粘土の着色に昔から使われている塗料として油絵具(あぶらえのぐ)があります。私は学生時代は美術部に所属し、主に油絵を描いていました。個人的には油絵具はたいへん魅力の高い塗料だと思っています。

しかしながら、粘土の着色にはおすすめしません。値段が高い、乾燥(硬化)が遅い、筆を洗うのが面倒(水では洗えません)…、といった難点があります。あとは上級者向けの絵の具だと思います。使いこなすには知識も必要です。

油絵具の成分は毒性が強いものも少なくありません。たとえば「シルバーホワイト」と呼ばれる白い油絵具があります。顔料は鉛白(えんぱく)と呼ばれる鉛の化合物です。鉛は毒性が高く、取り扱いには注意が必要です。

世界的に見ると、鉛を使った塗料は廃絶の流れになっており、欧州などではすでに製造されていないようです。日本では、まだ使われていて鉛中毒を発症するケースも確認されています。

ちなみに水性塗料では相性の悪さから、鉛化合物の顔料は使用されません

水彩絵の具・ポスターカラー

水彩絵の具やポスターカラーは、水溶性の塗料として広く普及している絵の具でしょうか。顔料と水溶性の食物繊維が主な成分で、今まで紹介した塗料の中でも安全性の高い塗料です。

服に絵の具が付いても、水溶性なので落とすことができます。また、価格の高い水彩絵の具は性能も高いので、とても魅力的な絵の具です。ただし、水に溶けるだけあって、塗料の強度は低いです。

着色したミニチュアを将来的に販売したいと考えている方は、耐水性のある塗料を使うほうがよいと思います。

アクリル絵の具

水性の塗料ですが、乾くと耐水になります。発色のよさ・耐光性の高さなど塗料としての性能はとても高いです。ただし、安いアクリル絵の具は、性能が低いものも少なくないので、ホルベイン、ターナー色彩、リキテックス、ターレンスなどの大手メーカー製の高品位なアクリル絵の具が色数も多くておすすめです。(ぺんてるやサクラクレパスのアクリル絵の具は、色数が少ないのが難点ですね。)

模型の世界では、ファレホ、シタデルカラー、アーミーぺインター、コートデアームズなどの水性アクリル塗料が有名です。トールペイントの世界では、セラムコート、アメリカーナ、ジョソーニア、マーサスチュワートクラフトペイント、パティオペイントなどの水性アクリル塗料が有名です。

数ある水性アクリル塗料の中でも、入門者の方がこれから買い揃えるならば、ホルベイン・ターナー・リキテックス・ターレンスの4社から選ぶことをお薦めします。

その中でもメディウムの豊富さと、塗料の選びやすさからリキテックスが特におすすめです。リキテックスを推奨する理由は、後日に解説したいと思います。

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